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HIV検査(確認検査等)の受付 (医療機関向け情報)

HIV感染の確認検査

 HIV感染は通常血液のなかの HIV抗体を測定することにより判明します。HIV抗体の検査はまずスクリーニング検査を行います。スクリーニング検査で陽性反応が見られたものについては感染を確かめるための「確認検査」が必要です。当研究所では保健所、医療機関や臨床検査所の依頼にもとづいて「確認検査」を実施しています。検査には状況に応じて数種の検査法を採用し、なるべく「判定保留」を避けるよう努力しています。確認検査に用いている主な検査法は次のとおりです。

  • ウエスタンブロット(WB)法:抗体を分析的に測定する方法であり、感染の最終確認に有効です。
  • 粒子凝集法(PA法):弱い抗体を検出でき、HIVの1型と2型を判別することにも利用する場合があります。
  • イムノブロット法:1型と2型の判別に役立ちます。
  • 抗原抗体検出酵素免疫測定法:抗体のみならずウイルスそのものを検出することが出来、「判定保留」を減らすのに役立ちます。
  • NAT(ウイルス核酸増幅検査)あるいはPCR法:抗体の測定のみで判定が困難な場合、血液中のHIVの遺伝子、あるいはリンパ球中に組み込まれているHIV遺伝子をPCR法で増幅してHIV感染の有無を判定します。

 公衆衛生研究所の確認検査における陽性件数は、下の図1の様に、年々増加傾向にあります。 図1 陽性件数の推移グラフ


確認検査依頼の手続き(HIVスクリーニング検査を実施している医療機関への情報)

  • 検査を依頼できるのは医療機関に限ります。
  • 確認検査依頼書(様式1)[40KB] とスクリーニング検査陽性の結果など、確認検査に役立つ情報を血清検体に添えて申し込んで下さい。
  • 検体を持ち込む前に必ず電話で連絡をしてください。
    (電話をされないで持ち込まれた場合、結果がでるまでに時間がかかることがあります。)

 検査結果は通常、検体搬入後24時間以内に出ますが、判定が困難な場合は2日以上かかることがあります。また、確認検査が陽性であった場合は、発生届けを忘れずに提出下さい。(「後天性免疫不全症候群発生届(HIV感染症を含む)」(届出様式5-8)[290KB]に必要事項を記入し、所管の保健所・保健福祉センターへFAXまたは郵送下さい。(届出基準) [132KB])


母子感染など特殊な検査

  • HIV感染者である母親から出生した子供の診断
     母親がHIV感染者の場合、生まれてくる新生児がHIVに感染しているかどうかは大きな問題です。子供は母親より抗体を受継ぐので、通常実施されている抗体検査は診断の役にたちません。そこで、検査には新生児の血液中のHIVやリンパ球の中に潜むHIV遺伝子をPCR法(遺伝子を数十万倍増やす方法)により検出する方法がとられます。さらにリンパ球を培養してHIVが産生されるかどうかの試験(ウイルス分離)も行います。出生後、定期的にこれらの検査とHIV抗体検査を行い、感染の有無を診断します。検査は1年半〜2年続け、それぞれ結果が陰性であれば子供には感染していないと判断されます。
     
  • 医療機関などでのHIV暴露事故の診断
     医療関係者が針刺し事故などによりHIVを含む血液・体液の暴露を受けた場合、抗体検査では感染の判定は3週間以降となります。そこで上述のHIV遺伝子を検出するNAT検査を実施すれば約2週間で感染の有無が判明します。

以上、二つの検査を受け付けています。検体を持ち込む前に必ず電話で連絡をしてください。


HIV感染者の治療に必要な検査(HIV感染者の治療を行っている医療機関への情報)

 多剤併用療法(HAART)を行うためには 感染者の病気の状態を知り、薬剤投与の時期を決めたり、薬剤が効いているかどうかを判定したりする必要があります。 これらのために当研究所では次のような検査を実施しています。


  • 薬剤耐性試験(耐性検査)
     HIVは変異を起こしやすいので、治療に用いられている薬剤(ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、インテグラーゼ阻害剤)を服用していても効かなくなる薬剤耐性ウイルスが出現してくる可能性があります。HAARTを開始して血中ウイルス量が順調に低下し、CD4+細胞数の回復が順調であれば問題はないのですが、これらの数値に異常が見られた場合は耐性ウイルスの出現を疑う必要があります。耐性ウイルスを検出するための方法としてはgenotype(遺伝子型解析)試験とphenotype(表現型解析)試験の2種があります。通常はgenotype試験が行われますが、genotype試験で臨床データとの矛盾がある場合などはphenotype試験も行われます。genotype試験の特徴としては比較的短時間で試験が可能です。phenotype試験は時間と手間がかかりますが、より正確な情報が得られ、薬剤の交差耐性の有無が判定できます。
     
  • 体内ウイルスの解析試験(Tropism検査)
     感染者の体内では、感染の初期からしばらくはマクロファージで増殖するタイプのウイルス(R5ウイルス)が大勢を占めていますが、病気が進行してエイズの発症が近くなると増殖が速くてT細胞で増殖するタイプのウイルス(X4ウイルス)が出現します。そこで、体内のウイルスの状態つまり、X4ウイルスの出現を観察するために感染者のリンパ球を培養してウイルスを増殖させる(これをウイルス分離といいます)試験を行っています。この検査は細胞培養を8週間続けその後種々の解析を行いますから、結果が出るまで最短でも3か月ほどの時間が必要です。

 検査依頼の仕方(HIV感染者の治療を行っている医療機関への情報)

 薬剤耐性試験(genotype法)は保険点数も計上されており、いくつかの臨床検査会社で検査が可能です。薬剤耐性試験および体内ウイルスの解析試験は当研究所にて検査が可能です。検査を希望される医療機関の関係者の方は電話にてご相談下さい。


■ お問い合わせ先

大阪府立公衆衛生研究所 ウイルス課 川畑、小島、森

  Tel:06-6972-1321

  Fax:06-6972-2393

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