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2008/2009シーズンのインフルエンザ発生状況

 大阪府感染症情報センターによると、今シーズンは第40週(9/29-10/5)に堺市で初のB型インフルエンザウイルスが分離され、その後患者報告数は増加している。特に泉州地区での患者発生が目立っている。

 当所では、第42週に豊中保健所管内の病院に肺炎、無呼吸発作にて入院した1ヶ月齢の女児の気管吸引液と鼻汁からインフルエンザAH3亜型ウイルスが分離された。なお、同検体からは、LAMP法にて百日咳菌遺伝子が検出されている。

 分離ウイルスは、ヒトO型赤血球に対して128HAを示し、国立感染症研究所より分与された感染フェレット抗血清を用いたHI試験の結果、今年のワクチン株とほぼ類似の抗原性を示した。HI試験の結果は、A/Brisbane/59/2007(H1N1) (ホモ価1:1280)、B/Brisbane/3/2007(ホモ価1:10240)、B/Malaysia/2506/2004(ホモ価1:10240以上)に対してはともにHI価1:10以下を示し、A/Uruguay/716/2007(H3N2) (ホモ価1: 2560)に対してはHI価1:640であった。

 次いで、第43週には、同じく豊中保健所管内の小学校の学級閉鎖に関連したうがい液の検体より、B型インフルエンザウイルスが分離された。分離ウイルスは、ヒトO型赤血球に対して512HAを示し、感染フェレット抗血清(A型)を用いたHI試験の結果、 A/Brisbane/59/2007(H1N1) (ホモ価1:1280)、A/Uruguay/716/2007(H3N2) (ホモ価 1:2560)に対してはともにHI価1:10以下を示した。B/Brisbane/3/2007(ホモ価1:10240)に対してHI価1:10、B/Malaysia/2506/2004(ホモ価1:10240以上)に対してHI価1:320を示し、分離ウイルスは今年のワクチン株とは異なるVictoria系統のウイルスであった。

 2008/09シーズンの全国でのインフルエンザウイルス検出状況を見ると、AH1亜型は分離19件、AH3亜型は分離39件、PCRのみ 1件、B型は分離21件、PCRのみ15件が検出されており、例年よりも早い検出数の増加が見られる。

 昨シーズンは、AH1亜型のウイルスが主に流行していた。例年の傾向より鑑みると、今シーズンはAH3亜型とB型が主流となる可能性が高い。

大阪健康安全基盤研究所 ウイルス課
大阪府感染症情報センター