大阪府感染症情報センター ものしり講座(13)


蚊に刺されてかかる感染症にご注意!

 どこからともなくやってきて私たちの血を吸い、「かゆい!」と思ったときには飛び去った後・・・そんないまいましい蚊ですが、じつは「かゆい」だけではすまないことがあります。病原体を持っていて、それを人にうつしてしまうことがあるのです。ここではそんな感染症について少し紹介しようと思います。

 わが国には蚊に刺されて感染する病気として日本脳炎があります。病原体の日本脳炎ウイルスを持った蚊に刺されて感染しますが、発病すると高熱や頭痛などの症状を示し、脳炎を起こして重い後遺症を残したり、死亡する場合もあります。この病気は1960年代に大流行しましたが、その後の環境整備やワクチン接種の普及により、今では年間数例程度の患者発生に抑えられています。ただ、ここ2年ほどは副作用の問題からワクチン接種の勧奨が差し控えられており、ワクチンを受けていない人が増えつつあることが憂慮されています。

 一方、海外での状況はどうでしょうか? じつは熱帯や亜熱帯の地域を中心に、蚊に刺されてかかる感染症がたくさんあって非常に多くの人が苦しめられています。その代表ともいえるマラリアやデング熱では年間数億の人が感染していると推計されており、特にデング熱は、今年になって東南アジアで大流行しています。また、北アメリカでは今までなかった病気であるウエストナイル熱がここ数年で全土に拡がり、インド洋の周辺国やインドでもチクングニア熱の流行が突然起こって現在まで続いています。これらはみんな蚊に刺されてかかる感染症ですが、私たちにとっても決して人ごとではなくなってきています。海外に出かけてこれらの感染症にかかった人がすでに多数報告されており、海外の流行地へ出かける場合は、このような蚊に刺されてかかる感染症に十分注意する必要があります。

 残念ながら蚊を根絶することは困難ですし、蚊が媒介する感染症もなかなかなくなりそうもありません。以下に個人でできる注意点をいくつか挙げておきますので、もし海外の流行地へ行かれることがありましたら、参考にして下さい。くれぐれも「短パンにサンダルで、ビールを飲みながら屋外のベンチで夕涼み」ということがありませんように・・・

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