大阪府感染症情報センター ものしり講座(21)


百日咳は大人もかかる感染症です

 お父さん、お母さんから赤ちゃんへの感染に気をつけてください。

 百日咳は百日咳菌という細菌により呼吸器の粘膜が侵される感染症です。その症状は名前の通り特有の発作性の咳が長期間続き(一般的には1〜2か月ぐらい)、乳幼児が感染した場合は重篤化しやすく死にいたる場合もあります。百日咳菌の感染力は強く、気道分泌物の飛沫および接触により感染します。一般的には乳幼児、小児などの子供の病気と考えられていますが、免疫をもたない人であれば年齢に関係なく感染します。ただし成人が感染した場合は咳の発作も乳幼児に比べて軽く、また血液の検査でわかる特徴的なリンパ球の増加もほとんど認められないため、見過ごされている症例も多いとされています。

 図に百日咳患者の年齢区分別患者報告数を示しています。9歳以下の患者数の変動は大きくありませんが、15歳以上の患者数の増加が顕著です。百日咳は現在のところその全患者数を把握するシステムがないため、図は全国約3,000の小児科医療機関定点からの報告数の合計です。実際には小児科領域でも全国ではその10倍弱の患者が発生していると推測されており、さらに15歳以上の患者の多くは把握できていないのが現状です。最近は診断技術の進歩もあり、大学や職場などでの集団感染の報告も多くあります。百日咳は子供だけの病気ではないのです。



 百日咳は他の多くの感染症と違い、お母さんから赤ちゃんに与えられる抗体が十分にありませんので生後まもなくから感染する可能性があります。図に示しているように1才未満の患者が多いのもこのためです。赤ちゃんを守ってあげるためには予防接種が大変重要です。表に百日咳の予防接種スケジュールを記載しました。生後3か月から受けることができますのでできるだけ早く接種してあげることにより感染を防ぐことができます。そして免疫を得るまでの間は赤ちゃんと接する大人の人は健康に注意して、長引く咳などがあれば早めに医療機関を受診するよう心がけてください。


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