大阪府感染症情報センター ものしり講座(36)


HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)について

 HTLV-1(human T-lymphotropic virus type 1/human T-cell leukemia virus type 1 )とはヒトT細胞白血病ウイルス1型のことで、現在日本には約100万人以上の感染者(キャリアと呼ぶ)がいると推定されています。主な感染経路は母乳による母子感染と性感染であり、持続感染している母親から母乳を介して赤ちゃんへ約20%の確率で感染し、また、夫から妻への性交渉を介した感染率も結婚後2年で約20%(妻から夫への感染はごくまれ)であると考えられています。過去には輸血を介しての感染もありましたが、1986年より日本赤十字社が献血者を対象に抗体スクリーニングを開始したことにより、現在は輸血感染は存在しません。

 感染者のほとんどは無症状で経過しますが、40〜60年の潜伏期を経て約5%の人が成人T細胞白血病(ATL)を発症します。また、同じウイルスがHTLV-1関連脊髄症 (HAM)、HTLV-1関連ぶどう膜炎(HAU)といった別の病気をひきおこすことも知られています。

 ATLはこれらの中では一番発症率が高く、年間発症者数は1000人を超えますが、現在のところ著効な治療法がなく、感染予防が最善の方法だと考えられます。特に、母乳の凍結、人工乳の使用、生後3ヶ月以内の短期授乳により、感染率は3〜6%まで減少します。

 いままではHTLV-1感染者の約半数弱は九州・南四国・沖縄地域に集中していましたが、最近の調査では、人口移動に伴い東京や大阪などの大都市圏の感染者が増加していることが明らかとなりました。

 このことより、2010年10月に国は妊婦健診時に検査等を行うように都道府県等へ通知し、現在、妊婦健診での抗体検査が公費負担で実施されています。(公費負担に関しては市町村により異なる場合もありますので居住される市町村へお問い合わせください。)

 1. HTLV-1の抗体検査について

 2. さらに詳しく知りたい方はこちら

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