大阪府感染症情報センター ものしり講座(4)


ノロウイルス対策としてのアルコール系消毒剤について

 現在ノロウイルス(カリシウイルス科ノロウイルス属)に対する消毒等の効果判定に、ノロウイルスそのものを使用することはできません。そのため、米国EPA(環境保護局)の推奨するネコカリシウイルス(同科ヴェジウイルス属)を代替ウイルスとして各種薬剤の試験が行われています。当所においてもネコカリシウイルスを用いた試験を行っており、そのウイルス不活化試験の検査結果についてのみ保証しております。製品全体や他の機能などについては、当所で検査を行っていませんので商品を保証するものではありません。また、同じウイルスではありませんので、ノロウイルスでも100%同じ結果が得られるとは限りません。さらに、実験室内で行われる実験と実際に使用する環境は大きく違いますから、得られた実験成績がそのまま実際での効果とは必ずしも言えません。次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)につきましても、いろいろな状況を考慮し非常に濃い濃度での使用をお願いしています。したがいまして、ノロウイルス対策としてマニュアル化されております対応(次亜塩素酸ナトリウム、加熱、熱湯、高温スチーム)を第一選択としてください。それらでの対応ができないけれど消毒を必要とする場合のみ、アルコール系消毒剤(医薬品および医薬部外品)を用いることをやむを得ず提案しています。十分量のアルコール系消毒剤をたらし、ペーパータオルでしっかりふきとります。この作業を3回繰返してください。手袋を装着し、ペーパータオルまたは拭取りのタオルは拭取りの1回目、2回目、3回目の回ごとに交換してください。このとき、アルコールがかかった状態で1分から2分程度おいておけばより効果があります。

 アルコール系の消毒剤ですとスプレータイプのものが多く、一度スプレーしただけで効くように思われてしまいますが、アルコールに抵抗性があるノロウイルスをはじめ多くのウイルスではこのような使い方ではウイルスは死滅しません。

 手指に次亜塩素酸ナトリウムを使用することはできませんから、感染予防は手洗いをするしかありません。では手洗いをしっかりと正しく行えるか?ということが問題になってきます。ノロウイルスは細菌に比べ大きさが1/30〜1/100で、手のしわにより深く入り込むので、より丁寧な手洗いが求められます。手洗いは手洗い用のソープ剤等をよく泡立て使用します。普段の手洗いで洗い残しが出やすいところは、指の間、指先、つめ、親指、小指、手のひらのしわ、手首ですので、特に気をつけてください。充分に洗った後は、流水でしっかりとすすぎます。調理前、食事前、トイレ後は2回繰り返すことを奨めます。そして、ペーパータオルで拭きます。手洗い後にアルコール系消毒剤を15〜30秒間乾かない量を擦り込むような感じで使用することは手洗いの効果を高めることになります。手荒れは手洗いの効果を下げますので、手荒れ防止効果もあるアルコール系消毒剤を使うのがよいでしょう。

▲ページの先頭へ