大阪府感染症情報センター ものしり講座(44)


新しいコロナウイルス(中東呼吸器症候群コロナウイルス、MERS-CoV)感染症について


 2012年4月にヒトで重篤な感染症を引き起こす新しいコロナウイルスが発見されました。これは2003年に世界を震撼させた重症急性呼吸器症候群(SARS)と同じウイルス科に属しますが別種と考えられています。感染すると急性の呼吸器症状である38℃以上の発熱、息切れ、咳、呼吸困難、肺炎などがみられます。5月に入ってアラビア半島を中心に18名の患者が報告されました。このウイルスは中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)と命名されました。

 感染者として報告された例は少なく、現在6カ国(サウジアラビア、カタール、ヨルダン、英国、フランス、ドイツ)で、40人(内20名死亡)が確認されています(2013年5月16日現在)。日本での発生例は報告されていません。密な接触がなければ、ヒト− ヒト感染は容易に起こらないと考えられていますが、サウジアラビアでは2名の医療従事者に患者からウイルスが感染した可能性が報告されています。

 この新しいコロナウイルスとよく似たウイルスをコウモリが持っていることが明らかにされています。従って、新型コロナウイルスの自然宿主はコウモリなどではないかと考えられています。

 厚生労働省は医師に対し、以下の要件を満たす患者を診た場合には、保健所に報告するよう求めています。

 (情報提供を求める患者の要件)
 38度以上の発熱と咳を伴う急性呼吸器症状を呈し、臨床的又は放射線学的に実質性肺病変(例:肺炎又はARDS)が疑われる者であり、発症前10日以内にアラビア半島又はその周辺諸国に渡航又は居住していた者。但し、他の感染症によること又は他の病因が明らかな場合は除く。

 病原体診断に関しては、厚生労働省(国立感染症研究所)がマニュアルを示しており、大阪府立公衆衛生研究所でも検査態勢を整備しています。 (5月20日記)

 

 参考資料
  コロナウイルスの電子顕微鏡写真

     


 関連リンク

  最新の新型コロナウイルスに関する報道

  厚生労働省

  国立感染症研究所

  世界保健機関(WHO)

 

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