淋菌感染症

 淋菌感染症は、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)による感染症であり、主に男性の尿道炎、女性の子宮頸管炎を起こす。
 女性の場合、子宮頸管炎だけでなく尿道炎を併発することも少なくない。
 子宮頸管炎による主な局所症状は、帯下の増量や不正出血であるが、無症状のことも少なくない。
 感染が子宮から卵管を経て腹腔内へ波及すると、卵管炎、骨盤内炎症性疾患や肝周囲炎、Fitz−Hugh−Curtis症候群を引き起こし、クラミジア感染症と同様に下腹部痛や右季肋部痛を呈する。
 また、これらを治療せずに放置すると、卵管機能障害や骨盤内癒着を招き、不妊症や異所性妊娠(子宮外妊娠)の原因となる。
 生殖器以外では、男性と同様に尿道炎を引き起こし、時に排尿異常を自覚する。
 母子感染の原因菌としても重要視されており、妊婦が子宮頸管炎を合併すると、産道感染により新生児に結膜炎を発症する。
 近年、性行動の多様化を反映して、咽頭や直腸感染などの性器外の感染例が増加している。  このような場合、症状に乏しい場合が多いが、重症化することもある。
(日本性感染症学会誌、性感染症 診断・治療 ガイドライン 2011より一部抜粋)


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