腸管出血性大腸菌感染症
ベロ毒素(志賀毒素とも呼ばれる)を産生する大腸菌(腸管出血性大腸菌)によっておこる全身性疾病で、その症状は無症状から軽度の下痢、腹痛、血便、溶血性尿毒症症候群や脳症などの合併症まで様々です。
日本で分離される腸管出血性大腸菌の約6割はO157ですが、O26やO111、O103など様々なタイプによって感染が起こります。
2011年に4名もの死亡者を出す飲食チェーン店食中毒が発生したことをきっかけに、生食用食肉の規格基準が設定され、牛レバーの生食用としての提供が禁止されましたが、それ以降も毎年4,000例前後の届出があります。
ヒトを発症させる菌数はわずか50個程度と考えられており、家庭内や保育園での二次感染に注意が必要です。
【リンク】
届出基準
腸管出血性大腸菌感染症は減っていません 2015年7月
O157以外の腸管出血性大腸菌 2011年11月
多くの顔を持つ下痢原性大腸菌 2011年2月
腸管出血性大腸菌感染症の血清学的診断法 2009年4月
腸管出血性大腸菌O157の遺伝子解析 2008年6月