1.DNA抽出

1-1培養菌からのDNA抽出(アルカリ加熱抽出法)

1-1-1 スキロー、CCDAあるいは血液寒天培地等上の新鮮菌少量を50 μlの水酸化ナトリウム溶液 (25 mM) に浮遊させ、充分に混和。
1-1-2 95 °Cで10分間加熱。
1-1-3 4 μl のTris-塩酸溶液 (1 M、pH 7.5)で中和。
1-1-4 20,000 × g、4 °Cで 5分間遠心。
1-1-5 上清2 μlをテンプレートDNAとしてLAMP法に使用。
 注:Campylobacter属菌の菌体からDNAを抽出する際に、精製水を用いた加熱法を使用した場合、菌株によってはDNA増幅反応が阻害されることが知られており[1]、この問題を避けるため、東京都健康安全研究センター高橋らが推奨するアルカリ加熱抽出法[2]を使用しています。

1-2.鶏肉増菌培養液からのDNA抽出(レバーは除く)

1-2-1 鶏肉を9倍量の液体増菌培地(プレストン、ボルトン等)に加え、所定の時間・温度(42℃・22-24時間あるいは37℃・4時間ののち42℃・44-48時間等)で培養。(ストマッカーを使用する場合は30秒以内。)
1-2-2 増菌培養液1mlを1.5-ml滅菌マイクロチューブに加え、900 × g、4°Cで1分間遠心。
1-2-3 上清を新しい1.5-ml滅菌マイクロチューブに移し、10,000 × g、4°Cで5分間遠心。
1-2-4 上清を捨て、沈渣に50μlの水酸化ナトリウム溶液(25 mM)を加え、ボルテックスで充分に混和。
1-2-5 95 °Cで10分間加熱。
1-2-6 4 μl のTris-塩酸溶液 (1 M、pH 7.5)で中和。。
1-2-7 20,000 × g、4 °Cで 5分間遠心。
1-2-8 上清2 μlをテンプレートDNAとしてLAMP法に使用。
 注1:1-2-2から1-2-4の工程は増菌培養液中の標的菌を濃縮するとともに、液体増菌培地ならびに鶏肉成分に含まれる反応阻害物質の簡易な除去を目的としています[3]。
 注2:長時間のストマッカー処理により、鶏肉由来の脂肪分等が培地中に過剰に遊離し、LAMP反応を阻害する可能性があります。当所では、鶏肉と液体増菌培地を混和する際に、ストマッカー処理は30秒以内あるいは鶏肉表面を手で穏やかに揉む程度の処理にとどめています。鶏肉のCampylobacter汚染は通常、表面汚染に留まり鶏肉の実質に及ぶことはまれであるため、激しいストマッカー処理は不要と考えるからです。なお、レバーでは肝実質内にCampylobacterが存在しているため、また肝臓由来のLAMP反応阻害物質の影響も考えられるため、検体処理には注意が必要です。

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