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大阪府における麻しん発生状況(2007年)

背景

 現在わが国では、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に基づき、感染症発生動向調査が行われている。麻しんは2007年まで、5類感染症定点把握疾患として定点医療機関からのみ毎週患者数が報告されていた。大阪府では、定点把握疾患については、政令市の大阪市と堺市、中核市の東大阪市、高槻市と情報共有し、共同で解析を行っている。5類定点把握疾患は、患者の性別および年齢のみの報告であり詳しい情報は得られないので、2006年第15週以降、麻しん報告については各医療機関、保健所の協力を得て、2次的な聞き取り調査を開始した。また定点以外の医療機関からも医師会等を通じて麻しん情報を可能な限り収集した。堺市では2000年の流行を契機に、小児科医会、衛生研究所が中心となりすでに麻しん全数把握サーベイランスが行われていた。


大阪府の麻しん発生状況

 大阪府では2000年と2001年に麻しんの流行が認められた。このときの患者報告数は、小児科定点から2000年4,077例、2001年2,102例、基幹定点からの成人麻しんはそれぞれ9例、34例であった。その後府内の患者数は年々減少し、2006年には麻しんは24例、成人麻しんは2例で過去最低となった。また同年は定点以外の医療機関から得た麻しん発生情報も2例のみで、全数報告を施行している堺市からの報告はなかった。全ての事例は散発例で、2次感染があきらかなものは無かった。しかし2007年第8週に、初発患者からワクチン未接種の家族2人と、病院で接触した乳児2人の計4人に2次感染したと考えられる事例が確認された。本事例からその後の感染拡大はなかったものの、関東地方の流行の影響もあり第16週頃から患者数が増加し、第19週には専門学校において30名をこえる集団感染も報告された。定点以外からの患者情報も加えると1年間で少なくとも900例の報告があった (図参照)。報告は第22週をピークに減少傾向にあったが第32週以降再び増加傾向が認められた。その後第37週と第46週に小さなピークを認めたものの減少した。2007年の報告では15歳以上が約半数を占めており、この年齢層の患者では47%がワクチン既接種者であった。一方2000年の流行の主体は乳幼児であり、小児科定点からの麻しん報告の70%以上が5歳未満であった。同時期に行われた調査によると発症者の95%がワクチン未接種者であった。


まとめ

 2000年から2001年の流行の後、1歳早期のワクチン接種勧奨等、関係機関の努力により麻しん患者数は減少していた。2006年から麻しん風しん(MR)ワクチンの定期2回接種も開始され、さらなる患者数の減少が期待されていたが、規模は2000年に比較すると小さいものの2007年は大阪府でも流行が認められた。

 2012年麻しん排除に向けて、わが国では今年からさまざまな取り組みがなされている。しかし大阪府の2期、3期、4期のMRワクチン接種率は全国的にも低い。今後麻しんに対する意識を向上し、高いワクチン接種率が維持されるよう、関係各所のさらなる協力が必要である。

(ウイルス課 宮川 広実)

 大阪府における年齢別麻しん報告数のグラフ

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