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麻しん情報


1 麻しんに対する取り組み

 麻しんは、「はしか」とも呼ばれ、高熱と耳後部から始まり体の下方へと広がる赤い発疹を特徴とする全身疾患です。感染力が非常に強い上、罹患すると、まれに急性脳炎を発症し、精神発達遅滞等の重篤な後遺症が残ります、又は、死亡することがあります。そのため、医師は、麻しんの臨床的特徴を有する者を診察した結果、症状や所見から麻しんが疑われ、かつ、麻しん(検査診断例)・麻しん(臨床診断例)・修飾麻しん(検査診断例)の届出に必要な要件を満たすと診断した場合には、法の規定による届出を7日以内に行わなければならないこととなっています。しかし、麻しんは、迅速な行政対応の必要性から、麻しんを診断した医師は24時間以内を目処に最寄りの保健所への届出を行うよう発生届けに記載されています。

 (国の取り組み)
 麻しんを取り巻く世界の状況に目を向けると、世界保健機関・西太平洋地域事務局は、平成24年(2012年)までに麻しんの排除目標(麻しんの排除とは、国外で感染した者が国内で発症する場合を除き、麻しんの診断例が一年間に人口100万人当たり1例未満であり、かつ、ウイルスの伝播が継続しない状態にあることをいう)を掲げています。このような状況を受け、国は平成24年(2012年)までに麻しんを排除し、かつ、その後も排除状態を維持することを目標とし、そのために、国、地方公共団体、医療関係者、教育関係者等が連携して取り組んでいくべき施策について示しています。

 (大阪府の取り組み)
 麻しんの発症はワクチンを接種することで予防できます。麻しんの予防接種を受けた後、年数の経過と共に麻しんに対する抗体価の低下があるので、強固な免疫を獲得するためには2回の予防接種が必要と考えられています。現在は1歳〜2歳までの赤ちゃん(1期MR)と、5歳以上7歳未満の子(2期MR)に接種されています。2回の予防接種ができていない人のために、法律に基づき3期MRワクチン(中学1年に相当する年齢の者)または、4期MRワクチン(高校3年に相当する年齢の者)を公費負担で接種することが、平成20年度から始まり24年度に終了します。今後、麻しんの発生と流行を防ぎ、麻しんにかかる方の数を限りなく抑えるため、2回の予防接種ができていない人の3期または4期の予防接種の徹底が必要です。

2 麻しん検査について

 医療関係者の皆様に!麻しんは全数把握疾患です。
 麻しんを疑ったら保健所に一報して下さい。

 それぞれの医療機関を管轄する保健所に相談して、血液(非凝固血:EDTA血が望ましい)、咽頭拭い液、尿検体を採取し、保健所経由で各地方衛生研究所(大阪府立公衆衛生研究所大阪市環境科学研究所堺市衛生研究所)にお届け下さい。抗体価(IgM)測定はコマーシャルラボ(登録衛生検査所)でお願いします。
 (http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou21/tsuuchi_101111_01.html)

 上記3地方衛生研究所では、血液(EDTA血)、咽頭拭い液、尿を用いて、麻しんのRT-PCR検査を行います。(通常48時間以内に結果がでます)  コマーシャルラボでの麻しんIgM抗体測定では、陽性と判断されても、非特異反応がでることがありますので、適切な時期(発疹出現後7日以内)に採取した検体を用いたPCR検査の方が有用です。麻しんIgM抗体価インデックスの解釈については「最近の知見に基づく麻しんの検査診断の考え方」を参考にして下さい。(http://idsc.nih.go.jp/disease/measles/pdf01/arugorizumu.pdf)

3 大阪府内の麻しん発生報告

 全大阪府内から報告された麻しん患者の情報を下表にまとめています。2011年は12例の報告があり、そのうち2例は PCR法で確定診断されており、両症例はウイルスの遺伝子検査から国外で感染した帰国例(輸入例)であることが判明しています。他の症例では麻しんIgM抗体は2例を除き陽性ですが、PCR検査では未検査の5例を除き検出感度以下でした。IgM抗体が陽性であっても、伝染性紅斑(りんご病)や突発性発疹などでも陽性となる場合があり、麻しんと検査診断できないことがあります。現在、麻しんは臨床診断だけで麻しんとして報告することが可能ですが、より正確に診断するために検査診断を徹底することが求められています。麻しんの排除の一条件は「一年間に人口100万人当たりの患者発生数が1人以下であること」とされています。人口880万人の大阪府では8人以下であることが条件ですので、2011年は目標が達成されませんでした。(麻しん排除の観点からは輸入例は除外されます。)

 2012年に府内で報告された麻疹症例は4例で、そのうち2例では患者に渡航歴があり、海外での感染が疑われました。2011年の12例からさらに減少しており、府内では麻疹排除レベル(人口100万人あたり1例以下)になっています。