大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第115号− 2013年3月29日発行


総アフラトキシン規制への対応

 マイコトキシンとは、カビ類が産生し、ヒトあるいは家畜、魚類など高等動物に対して急性もしくは慢性毒性をもつ物質です。マイコトキシンの一種であるアフラトキシンは、Aspergillus flavus, A. parasiticus 等により産生され、ヒトが慢性的に暴露された場合は肝臓がんを引き起こすことが知られています。アフラトキシンにはB1, B2, G1, G2 等の種類があり、そのうちB1が最も発がん性などの毒性が高いとされています。

 アフラトキシンは、主にナッツ類、とうもろこし等で汚染が認められます。アフラトキシンは安定な物質であり、生産菌が死滅してもアフラトキシン自体は残留します。また、熱によって分解されにくく、調理過程で無毒化することができません。そのため、アフラトキシンに汚染された食品が消費者に渡る前に発見・除去することが必要となります。

 アフラトキシンは、食品衛生法に基づいて規制値が定められています。そのため、検疫所や全国の衛生研究所で定期的に検査を行い、規制値を超えていないかどうか確認しています。

 これまで、アフラトキシンに対する規制はB1のみが対象でした。しかし、平成23年10月1日より、対象が総アフラトキシン(B1, B2, G1, G2の合計値)に拡大したため、検査方法の見直しが必要となりました。

 大阪府では、従来よりアフラトキシンB1の分析法に、多機能カラムを用いてきました。この分析法は迅速かつ簡便ですが、測定の妨害となる物質を完全に除去することができず、食品によっては、アフラトキシンB1以外のB2, G1, G2の測定が困難でした。そこで、多機能カラムよりも精製効率の高い、イムノアフィニティーカラムを用いることにしました(図1)。このカラムにはアフラトキシンの抗体が結合されており、そこにアフラトキシンを吸着させて、それ以外の妨害成分を通過させます。その後、抗体とアフラトキシンの結合を切って、アフラトキシンのみを溶出させ、測定します。測定には蛍光検出器付液体クロマトグラフを使用します。



図1:多機能カラムとイムノアフィニティーカラム


 この新しい分析法は、従来法に比べて妨害成分の影響を受けることなく検査が可能であり、また同等の回収率が得られることを確認しています。食品化学課では、今年度よりこの新分析法を検査に適用しています。

(食品化学課 柿本 葉)


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