大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第116号− 2013年4月30日発行


大阪府内の風疹発生状況と先天性風疹症候群


1)風疹とは
 風疹は、風疹ウイルスによってひきおこされる熱性発疹性疾患で、発熱、3日程度の発疹、リンパ節の腫れを特徴とします。咳などの飛沫で感染し、2週間ほどの潜伏期間を経て発症しますが、成人では感染しても症状が出ない不顕性感染も多く(15%程度)、症状が重篤になることは少ないとされています。しかし、妊娠初期 (特に3ヶ月以内) の女性が感染すると高い確率で胎児に先天性風疹症候群(Congenital Rubella Syndrome:CRS)を起こす可能性がある重大な疾患です。CRSの出生児の典型的な症状は、白内障や緑内障、先天性心疾患、難聴などが知られていますが、そのほかにも血小板の減少や身体と精神の発達遅滞がみられるなど、症状は多岐にわたります。

2)大阪府内の風疹発生状況
 大阪府内における風疹報告数は2009年には12例、2010年には9例と低い水準でしたが、2011年は54例、2012年は全国の都道府県で2番目に多い408例となり、CRSも1例報告されました。2013年は、11週現在で患者数は129例にのぼり、昨年よりもさらに大規模な流行が起きています (図1)。

 
 
図1

 本年の風疹患者の内訳は、男性92例(71.3%)、女性37例(28.7%)で患者の年齢中央値は、男性31歳(範囲0-60歳)、女性23歳(範囲3-53歳)となっています。昨年から続く青壮年期の男性を中心とした流行の傾向はいまだ続いていますが、10代後半の女性患者数が昨年より増加傾向を示しています。流行の中心となる年代は、女性では妊娠可能な年齢層、男性では同居する家族が妊娠する可能性のある年齢層であり、いずれも注意が必要です。

3)風疹の予防
 1977年の風疹ワクチン接種開始当初は、中学生の女子だけに接種していましたが、その後何度かワクチン制度の変更があり、2006年以降は定期接種として、麻疹風疹混合生ワクチン(MRワクチン)が1歳時と小学校入学前1年間の男女に2回接種されています。現在流行の中心となっている20歳代後半から30歳代の男性は、ワクチン制度の変更に伴う経過措置の周知が不十分だったために風疹ワクチン接種率と抗体保有率の低い世代であることがわかっています。
 しかし、風疹はワクチンで防ぐべき病気です。既に妊娠されている方は、ワクチン接種を受けることができませんが、ご家族に妊娠されている方がいらっしゃる方、またはご自身が妊娠される可能性がある方は、CRSの発生と将来的な風疹の流行を防ぐために、MRワクチン接種をぜひご検討ください。

(ウイルス課 倉田 貴子)


▲ページの先頭へ