大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第117号− 2013年5月31日発行


食品添加物に関するお話


 食品添加物は、「食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物」と定義されています。日本では、厚生労働大臣が定めたもの以外は製造、輸入、使用、販売等が禁止されており、対象には合成品だけでなく、天然物も含まれています。

  (厚生労働省:http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syokuten/gaiyo.html

 私たちは昔から、食品の保存や加工を行う際、自然界の物質を食品添加物として利用してきました。豆腐を作る時の「にがり」や梅干を漬ける時の「シソの葉」は、古くから添加物として使用されてきたものです。豊かな食生活を送るため、食品添加物は必要です。しかし、健康への悪影響がない範囲で使用されなければなりません。

 食品添加物は法律上(食品衛生法)、「指定添加物」、「既存添加物」、「天然香料」、「一般飲食物添加物」の4種類に分類されます。「指定添加物」とは、有効性及び安全性が確認され、厚生労働大臣が指定する合成および天然添加物のことです。「既存添加物」とは、昔から使用されてきた天然添加物の中で「指定添加物」以外のもの、カラメル色素などが該当します。「天然香料」とは、香りづけの目的で使用される動植物から得られる香料のことであり、果実香料などが該当します。「一般飲食物添加物」とは、一般に食品として使用されているもの、果汁などが該当します。

 


 一方、食品添加物を用途により分類すると、食品の製造や加工に使用されるもの(にがり、ろ過助剤)、食品の保存期間を長くするもの(保存料、酸化防止剤)、食品の「おいしさ」を追求するもの(着色料、甘味料)、食品の栄養成分を増強するもの(ビタミン、アミノ酸)などに区分することができます。

 


 食品添加物の安全性評価は、厚生労働省が定める指針に従い、実験動物を用いた毒性試験の結果などに基づき行われます。具体的には、各種毒性試験の結果から、添加物の最大無毒性量(*1)を算出し、安全係数(*2)を乗じて一日許容摂取量(ADI)を設定します。ADIとは、人がある物質の一定量を一生涯にわたって摂取し続けても健康への悪影響がないと推定される一日あたりの摂取量のことです。ADIを参考とし、有用性および当該食品の摂取量などを考慮して、食品ごとに使用基準が定められます。

 大阪府立公衆衛生研究所 食品化学課では、食品添加物を対象とし、年間約1900件の行政検査を実施しています。年末やお盆など、食料品の流通量が多くなる時期には、食品添加物の中でも特に、保存料、甘味料、漂白剤の検査を集中的に行っています。今後も府民の皆様の食の安全を確保するため、大阪府の食の安全推進課と連携し、質の高い行政検査を実施していきます。

 *1:ある物質について、動物実験において毒性学的な全ての有害な影響が観察されない最大の投与量。
 *2:ある物質について、人への許容一日摂取量(ADI)を設定する際に、通例、動物における無毒性量に対して更に安全性を考慮するために用いる係数。通常は1/100を用います。

  (厚生労働省:http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syokuten/gaiyo.html



(食品化学課 梶村計志)


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