大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第126号− 2014年2月28日発行


医薬品成分の配合された健康食品の流通 〜強壮用健康食品を例にとって〜


 これまでに、健康食品が原因となった健康被害のニュースが多く取り上げられています。その中には、効果を増強することを目的として医薬品の有効成分(医薬品成分)が配合された健康食品が原因となったケースもあります。
 かわら版@iph 第31号(2006年3月30日)でも強壮用健康食品を例として取り上げていますが、今日においても健康食品からは医薬品成分が検出されており、引き続き注意が必要です。

1.健康食品への医薬品成分の配合
 健康食品(栄養補助食品、健康補助食品、サプリメント等の名称も含む)は、一般的に健康の保持増進及び健康管理等の目的のために利用される食品で、法律で定義されているものではありません。
 健康食品には、その効果を高めるために医薬品成分が配合されることがあります。強壮用健康食品を例にとれば、勃起不全治療薬であるバイアグラの有効成分であるシルデナフィルを初めとして、タダラフィルやバルデナフィル等の医薬品成分が配合された事例があります。
 医薬品成分が配合された健康食品は、薬事法により「無承認無許可医薬品」として処分されますが、健康食品の使用者には、医薬品を使用しているという意識がないことから、過剰摂取や他の医薬品との併用等により死亡を含めた重篤な健康被害の発生が懸念されており、医薬品成分が配合された健康食品の流通は大きな問題とされています。

2.健康食品の検査
 当所では、医薬品成分が配合された違法な健康食品の流通を防ぎ、健康被害を未然に防止するために、健康食品の検査を行っています。
 表に平成21〜25年度に実施した検査のうち、強壮用健康食品を対象とした検査結果を示します。わが国で販売されている医薬品の有効成分であるシルデナフィルが検出されていますが、それ以外の化合物も多数検出されています。それらの成分は、図に示すようにシルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィルの構造の一部を変えたもの(以下、類似体と記載します)です。類似体は医薬品成分として取り扱われることから、類似体が配合された健康食品についても、薬事法により「無承認無許可医薬品」として処分されますが、分析を困難とし、検出されにくくすることで、検査をすり抜けることを期待して配合されていると考えられます。
 類似体はシルデナフィル等と同様、勃起不全治療効果を有することが予想されますが、薬理作用や副作用に関する検討がされていないため、有効性、安全性ともに明確ではなく、使用者に極めて重篤な健康被害をもたらす可能性があります。
 また、平成21〜25年度の検査では、最低でも9製品中1製品以上の健康食品から医薬品成分が検出されていることから、「医薬品成分が健康食品に配合されることはほとんどない」ということではなく、「医薬品成分が配合された健康食品による健康被害は他人事ではない」ことをご理解いただきたいと思います。


 


 


3.まとめ
 市場には、多くの種類の健康食品が流通していますが、健康食品による健康被害を未然に防止するため、分析法の拡充に努めるとともに、新たな類似体が配合された健康食品の流通に備えた情報収集にも努めることにより、検査体制をより一層充実させたいと考えています。


参考:医薬品成分(シルデナフィル及び類似成分)が検出されたいわゆる健康食品について(厚生労働省)

(薬事指導課 田上貴臣)


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