大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第130号− 2014年6月30日発行


アデノウイルス感染症について


 アデノウイルスは一般的に検出される病原体で、小児のウイルス感染による風邪のうち、数%はアデノウイルスが原因であることが知られています。感染者数は気温が高い時期に増える傾向がありますが、一年を通して検出されます。また、アデノウイルスの種や型によっては呼吸器だけでなく、眼、消化器、泌尿器にも感染することがあります。現時点で1型から54型に分類されており、さらに55型以降の新型候補も相次いで報告されています(本記事ではわかりやすくするために、新型候補も型として記載しています)。全ての型はA-G種のいずれかに分類され、種および型は症状との相関が認められます(表)。アデノウイルスにより引き起こされる疾患のうち、咽頭結膜熱(プール熱)、流行性角結膜炎(はやり目)および感染性胃腸炎は、感染症発生動向調査における病原体サーベイランスの対象疾患となっています。当所では大阪府の病原体サーベイランスにおいて検出されたアデノウイルスの型別を行っており、これまでに国内で検出されていない型のアデノウイルスも検出できる準備を整えています。




 咽頭結膜熱は発熱、喉の炎症、結膜炎を主な症状とする疾患で、大阪府ではC種2型やB種3型のアデノウイルスが原因として最も多く検出されています。プールの水を介して感染する可能性があることからプール熱とも呼ばれますが、感染者が触れた物やくしゃみなどを介して感染することが主な要因だと考えられます。また、E種4型やB種7型のアデノウイルスは国内外で急性の呼吸器疾患の原因となることが知られています。流行性角結膜炎は、はやり目とも呼ばれ、近年の大阪府では主にD種の37型、53型、54型、56型が検出されています。ウイルス性の胃腸炎はノロウイルスやロタウイルスがその原因としてよく知られていますが、アデノウイルスが原因となることもあり、主にF種40、41型が検出されています。
 アデノウイルス感染症の症状はいずれも軽症から重症までさまざまで、ウイルスの感染力が強く治療薬もないため、手洗いなどの予防が重要です。

大阪府での各種感染症の発生状況はこちらをご覧ください。
http://www.iph.pref.osaka.jp/infection/surv14/surv25t.html


(ウイルス課 廣井 聡)