大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第134号− 2014年10月31日発行


果実などに用いられる防かび剤について


 防かび剤(防ばい剤)は、長期間の運搬や貯蔵中にカビが発生するのを防止する目的で、オレンジなどのかんきつ類やバナナなど主に果実に使用されています。防かび剤は、果実等の収穫後に使われますが、腐敗、変質を防止する目的で使用される薬剤であるため、食品衛生法では農薬ではなく「食品添加物」として定められています。
 食品衛生法では、防かび剤の使用基準として「使用対象食品」と食品ごとに残存が許容される上限の「最大残存量」を定めています(下表参照)。これらは、動物実験などの安全性試験に基づいて、人が一生涯にわたり毎日摂取しても影響がない量として定められている一日摂取許容量(ADI)に安全係数を掛けて、日本人の食品の摂取量などを考慮して決められます。なお、防かび剤が使用された食品を販売する際には、バラ売りであっても陳列棚や品名札などに、使用した防かび剤を表示するよう決められています。




表. 防かび剤の使用基準



 これらの防かび剤が日本において食品添加物として定められたのは、昭和46年のジフェニルが最初で、オルトフェニルフェノール及びそのナトリウム塩が昭和52年、チアベンダゾールが昭和53年、イマザリルが平成4年です。最近の法改正に伴って、これまで農薬として使用されている薬剤が、新規に防かび剤としても指定されました。フルジオキソニルが平成23年(一部の食品は平成24年)から、かんきつ類に限らず、キウィーやももなど幅広い食品に新たに使用が認められました。また、アゾキシストロビンが平成25年からかんきつ類に、ピリメタニルが平成25年からももや西洋なし、りんごなどに使用が認められています。

 当所では、収去検査(行政検査)において、輸入かんきつ類を中心に検査を実施しています。平成21年度から25年度の5年間では、オレンジ25検体、グレープフルーツ41検体およびレモン4検体の合計70検体を対象として、イマザリル、チアベンダゾールおよびオルトフェニルフェノールの3種類について検査を実施しました。検出された防かび剤のレベルは、イマザリルが0.0004‐0.0038 g/kg、チアベンダゾールが0.0002‐0.0036 g/kgおよびオルトフェニルフェノールが全ての検体で定量下限値(0.0002 g/kg)未満であり、全て最大残存量以下であることが確認されました。当所では今後、新たに使用が追加されたフルジオキソニル、アゾキシストロビンおよびピリメタニルについても検査項目として追加し、かんきつ類以外の食品についても検査法を改良して対応できるようにしていく予定です。


(食品化学課 小阪田 正和)


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