大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第142号− 2015年6月30日発行


食用と間違いやすいハシリドコロ


 ハシリドコロ(図1、図2)はナス科の植物で別名ナナツキキョウ、ホメキグサともいわれ、本州から九州北部に自生する多年生草本植物です。医薬品としての利用価値は高く、根茎や根の部分は「ロートコン」として日本薬局方にも収載されています。さらにロートエキス、硫酸アトロピンなどの製剤原料としても用いられています。ロートエキスは消化液分泌抑制、鎮痛、鎮痙作用があり胃腸薬として用いられています。又、硫酸アトロピンは胃腸薬のみならず、瞳孔を開く目的で眼科用薬として用いられています。

図1 ハシリドコロの花
  
図2 ハシリドコロの若芽
  

 薬として使用される一方で、ハシリドコロはわが国に自生する有毒植物の一つとして知られておりこれを誤って食用とした中毒事故が多く発生しています。中毒成分としてアルカロイド(ヒヨスチアミン、スコポラミン)を含有します。ハシリドコロで中毒を起こした人の症状として神経系障害の意識障害、幻覚症状、異常行動などの発現例があります。
 ハシリドコロの新芽はフキノトウなどと間違いやすく、中毒成分は、家庭における調理程度の加温処理では分解されないので誤食には気をつけて下さい。

 ※ 写真1及び写真2は昭和大学薬用植物園のHPより引用しました。

(薬事指導課 岡村俊男)


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