大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第148号− 2015年12月31日発行


医薬品成分が配合された健康食品について


 国民の健康に対する意識の高まりに加え、インターネット等による通信販売の普及が進んだことで、健康食品は消費者にとって身近な存在となりつつあります。一方、これらの作用を高める目的で医薬品成分を違法に配合した製品が、強壮効果・痩身効果を暗示する健康食品を中心に一部流通しています。医薬品成分が配合された健康食品は無承認無許可医薬品に該当し、医薬品医療機器等法(旧薬事法)による取締りの対象となります。このような健康食品では、その暗示効果を消費者に実感させるため、薬用量に匹敵する量の医薬品成分を含有することがある上、普段服用している薬との相互作用により、治療中の疾病が悪化する可能性もあります。

 強壮を目的とする健康食品の中にはシルデナフィルやバルデナフィル、タダラフィルといったED(勃起不全)治療薬が配合されたものがあり、特にシルデナフィルはバイアグラ錠として有名です。これらは日本国内で承認されている医薬品成分ですが、健康食品への配合は違法ですし、狭心症や高血圧の薬と併用することで血圧降下作用が増強され、重篤な症状につながるおそれがあります。また、検出を免れるために上記成分の化学構造を一部変化させた類似成分も次々と出現しています。(図1)




図1. シルデナフィル、バルデナフィルおよびタダラフィルの化学構造式


 痩身を目的とする健康食品の中にも医薬品成分が配合されたものがあり、特に食欲抑制剤のシブトラミンは頻繁に健康食品から検出され、海外で重篤な健康被害が報告されています。シブトラミン以外にも、過去に下剤として用いられていたフェノールフタレインや抗うつ薬フルオキセチン、強壮効果を暗示する健康食品にも違法配合されていることのあるヨヒンビン等が検出されています。(図2)






図2. シブトラミン、フェノールフタレイン、フルオキセチンおよびヨヒンビンの化学構造式


 大阪府では府民の健康被害防止のため健康食品の試買調査を実施しており、当所が健康食品中に配合された医薬品成分の分析を担当しています。近年さまざまな健康食品が流通していますが、健康食品を摂取して体調不良を感じたら摂取をやめ、速やかに医療機関を受診して下さい。

(薬事指導課 中村暁彦)


▲ページの先頭へ