大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第151号− 2016年3月31日発行


大阪府における危険ドラッグ対策の現況

 危険ドラッグについては以前よりお伝えしていますが1-4)、今回は大阪府における危険ドラッグ対策の現在の状況についてお伝えします。

 危険ドラッグ対策として、まず危険ドラッグの流通実態の把握と取り締まりを行うために、危険ドラッグと疑われる製品の買い上げ検査を平成23年度より実施してきました。大阪府内及びインターネット上で販売されていた危険ドラッグと疑われる製品161検体をこれまでに検査し、142検体から73種類の薬物を検出しました。
 しかし、取り締まることができた薬物は、製品の買い上げ時に既に指定薬物または麻薬に指定されていた7種類のみでした。つまり、検査を行ったほとんどの危険ドラッグ製品(薬物を検出した142製品中128製品)は取り締まりを逃れるために、規制されていない薬物を配合していたため、薬物を検出した時点では取り締まることができませんでした。
 そこで、大阪府では、平成24年11月1日に「大阪府薬物の濫用の防止に関する条例」を制定しました。この条例により大阪府独自に「府内において現に濫用され、又は濫用されるおそれがあり、かつ、中枢神経系の興奮若しくは抑制、幻覚又は麻酔の作用(当該作用の維持又は強化の作用を含む。)を有すると認められる」化合物を知事指定薬物に指定することが可能となりました 5)
 大阪府では、海外における新規乱用薬物の情報を基に、今後日本に流入し乱用される恐れのある化合物を率先して知事指定薬物に指定することで、危険ドラッグの新たな乱用を未然に防ぐことに努めています(図1)。さらに、大阪府で指定した知事指定薬物は他府県の知事指定薬物だけでなく、数日後に国の指定薬物に指定されることから、大阪府のみならず日本国内への流入をも未然に防ぐことが可能となり、日本全体の危険ドラッグ対策に貢献しています。



図1 これまでに指定した知事指定薬物の例


 これまで、大阪府、大阪府警、近畿厚生局麻薬取締部、国等が一丸となって、危険ドラッグ販売店舗に対して、継続的な立入調査による指導や取締りの強化など各種対策を講じてきました。その結果、平成27年3月末時点で、大阪府内における危険ドラッグ販売店舗をゼロにすることが出来ました6)。しかしながら、依然として危険ドラッグはインターネット等を通じて販売されている状況が見受けられます。
 今年度、更なる危険ドラッグ対策強化のために、大阪府立公衆衛生研究所に新たな分析機器が導入されました(図2)。今後も、インターネット上の危険ドラッグ販売を監視するとともに、積極的な大阪府知事指定薬物の指定により、大阪府のみならず日本国内への危険ドラッグの流入ならびに国内での乱用を未然に防ぐことに取り組んでまいります。



図2 今年度より導入された核磁気共鳴装置(NMR)




1) 大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph −第113号−
  http://www.iph.pref.osaka.jp/merumaga/back/113-2.html
2) 公衛研ニュース 第49号 http://www.iph.pref.osaka.jp/merumaga/back/113-2.html
3) 公衛研ニュース 第52号 http://www.iph.pref.osaka.jp/news/vol52/news52_2.html
4) 大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph −第133号− 
  http://www.iph.pref.osaka.jp/merumaga/back/133-2.html
5) 大阪府薬物の濫用の防止に関する条例 知事指定薬物について
  http://www.pref.osaka.lg.jp/yakumu/idorajorei/index.html
6) 報道発表資料 『大阪府内の危険ドラッグ販売店舗が0「ゼロ」になりました。』
  http://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=19329

(薬事指導課)


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