大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第158号− 2016年10月31日発行


医薬品等の試験検査の紹介 ‐エンドトキシン試験法について‐

 大阪府では、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器(医薬品等)の品質確保を図るため、府内において製造(販売)及び流通している医薬品等を対象に行政検査を行っています。この行政検査は収去試験と呼ばれ、当所薬事指導課で試験検査を行います。収去検査については、大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン第132号(http://www.iph.pref.osaka.jp/merumaga/back/132-1.html)を参考にしてください。今回は、検査項目の一つである、エンドトキシン試験法についてご紹介します。

 エンドトキシンは、細菌の細胞壁の一部分を構成しています(図)。細菌によって産生されて菌体外に放出される外毒素に対し、エンドトキシンは、細菌の菌体成分の一部が菌体から遊離して毒性を示すため、内毒素とも言われます。エンドトキシンが血液に入ると、発熱やショック等様々な生理現象を引き起します1)。そのため、血液中に直接入れられる注射剤等の医薬品、医療機器の検査項目となっています。

 エンドトキシン試験法2)は、カブトガニの血球中の成分が、エンドトキシンと反応して固まることを利用した試験方法です。ある注射剤から試験溶液を調製し、カブトガニの血球抽出成分から作られた試薬と混合して、固まらなければ、その注射剤には発熱を引き起こす量のエンドトキシンは含まれていないということになります。

 今回ご紹介したのは、試験検査項目の一例です。医薬品等には他にも試験項目が設定されており、その他の項目についても検査を行っています。このようにして、適正な医薬品等が流通するように、薬事指導課では検査を行っています。



図 エンドトキシンの模式図


【参考文献】
 1) 棚本憲一 エンドトキシンと医薬品の品質管理, Bull.Natl.Inst.Health Sci.,126,19-33 (2008)
 2) 第十七改正日本薬局方(平成28年3月7日厚生労働省告示第64号)
 

(薬事指導課 皐月由香)

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