大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第163号− 2017年3月31日発行


府内に流通する食品の安全性はどうやって守られているの?
〜流通食品を対象とした細菌検査について〜

 食品衛生法では、「飲食」が原因で生じる健康被害を防止するため、販売用の食品に「食品衛生を確保するために最低限守らねばならないルール(=規格基準)」を具体的に定めることができると規定されています。現在、生食用鮮魚介類や冷凍食品、乳製品などの様々な食品に、製造基準・保存基準・成分規格などの規格基準が、それぞれ定められています。各規格基準については、厚生労働省のホームページ*1)にわかりやすく記載されています。なお、これらの規格基準に適合しない食品は製造、調理および販売することができないため、不適合が明らかになれば食品衛生法違反となり、すみやかに回収や廃棄などの措置が取られます。
 当所細菌課では、大阪府食の安全推進課および府内各保健所とともに「大阪府食品衛生監視指導計画」に基づき、府内に流通する食品を対象に、食品衛生法で定められた細菌の成分規格に適合しているかを検査しています。平成27年度は、391検体の検査を実施しました。表は過去(平成20〜27年度)の違反事例を示しています。検査は1年を通して実施し、検査の対象となる食品の種類は毎月異なります。例えば、夏季には腸炎ビブリオ食中毒が発生しやすいことから、その原因となる「生食用鮮魚介類」の検査を行います。また、冬季には、流通量が多くなる「魚肉ねり製品」や「生食用かき」の検査を行います。

表. 過去の規格検査(細菌検査)における食品衛生法違反事例
検査年度検査対象品食品衛生法違反内容
平成26年度乳酸菌飲料(無脂乳固形分3.0%以上のもの)乳酸菌数の不足
生食用かき細菌数の超過
平成24年度生食用食肉腸内細菌科菌群の検出
平成23年度食肉製品リステリア菌の検出
生食用かき細菌数の超過
平成22年度魚肉ねり製品大腸菌群の検出
平成20年度乳酸菌飲料(無脂乳固形分3.0%未満のもの)乳酸菌数の不足

 また、上記で述べた成分規格に基づいた細菌検査のほかに、食中毒の原因菌(サルモネラ属菌、カンピロバクター、腸管出血性大腸菌など)やノロウイルス、粘液胞子虫(クドア・セプテンプンクタータなど)などの有害な細菌・ウイルス・寄生虫の汚染実態調査も実施しています。平成27年度は、1,825検体の検査を実施しました。この汚染実態調査で陽性となった場合、施設の衛生管理や食品の取扱等について行政の担当者が調査・指導を行います。検査の対象には、その時々で社会的に大きく問題となったものをなるべく取り入れるようにしています。たとえば、平成24年8月に白菜の浅漬けを原因食品とする腸管出血性大腸菌O157による大規模食中毒が起こったのを契機に、浅漬けについて腸管出血性大腸菌の汚染実態調査を行っています。平成28年の9月の調査では、1検体が陽性となりました。メルマガ第159号*2)や公衛研ニュース第51号*3)においても、食品の微生物汚染の実態を把握するための検査の結果について、詳細を紹介していますので、ぜひご参照ください。
 今後も当課では、質の高い、時代のニーズにあった検査を行い、大阪府民の食の安全を確保できるようより一層努力してまいります。




  *1)厚生労働省HPへのリンク:
  「食品別の規格基準について」
  http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/jigyousya/shokuhin_kikaku/index.html
  「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」
  http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S26/S26F03601000052.html
  *2)メルマガ第159号へのリンク:
  「浅漬、洋生菓子、魚介類加工品の細菌汚染実態調査」
  http://www.iph.pref.osaka.jp/merumaga/back/159.html
  *3)公衛研ニュース第51号へのリンク:
  「大阪府内で流通する食品の食中毒菌汚染実態調査」
  http://www.iph.pref.osaka.jp/news/vol51/news51.pdf

(細菌課 坂田淳子)

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