大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第51号− 2007年11月30日発行


11月の感染症

 2007年第46週(11月12日から11月18日)の定点あたり報告数の上位3疾患は、感染性胃腸炎(6.7)A群溶連菌咽頭炎(1.4)、水痘(1.0)でした(()内は定点あたり報告数)。感染性胃腸炎は前週比28%、水痘は16%の増加、A群溶連菌感染症は16%の減少でした。( http://www.iph.pref.osaka.jp/infection/surv07/surv46.html 参照)
 ノロウイルスが大流行した昨年に比べると患者数は少ないものの、感染性胃腸炎の増加が続いています。11月以降の病原体定点機関の検体からはノロウイルスGU型が7例検出されています(11月20日現在)。ノロウイルスが検出され始めたことから、保育所や医療機関などでの集団感染や、食中毒についても注意が必要です。冬季の感染性胃腸炎の主な原因は、ノロウイルスやロタウイルスで、患者の便や吐物には、ウイルスが多く含まれています。集団での流行を抑えるためには、これらの処理や手洗いを徹底することが大切です。具体的な方法についてはhttp://www.pref.osaka.jp/chiiki/kenkou/kansen/srsv/noro.pdfを参照してください。
 RSウイルス感染症が52%増加し、4位となりました。RSウイルス感染症は低年齢の乳幼児、特に6ヶ月未満の乳児では重症化することが多く、未熟児や先天性心疾患、慢性肺疾患、免疫不全を持つ児では重症化のリスクが高くなります。RSウイルスは咳やくしゃみなどの飛沫でも感染しますが、鼻汁などで汚染された手指や媒介物による濃厚接触による感染が主なものです。おとなでは軽いかぜ症状であってもそれが乳児に感染すると重症になることがありますので、これからの流行期には、特に小さな子供さんの世話をする際に、手洗いをこまめに行うことが予防のために重要です。
 またインフルエンザも66例とまだ報告は少ないものの53%増と流行の兆しです。全国的には今シーズンは流行の開始が早いという情報もあり、今後の動向に注意が必要です。
 麻しんは減少していましたが、第46週は11例と増加し、集団感染や、医療機関での院内感染事例も報告されています。今後冬型感染症の流行期は、医療機関への受診者数も増加しますので、麻しんのような感染力の強い疾患は待合室などでの感染の拡大も問題になります。麻しんの疑いがある場合には、受診の際にはあらかじめ申し出て、他の患者さんへの感染を起こさないようにするなどの配慮が必要です。


定点*:

 大阪府内の感染症発生動向を把握するために、インフルエンザは307ヶ所、感染性胃腸炎、水痘などの小児科疾患は199ヶ所、流行性角結膜炎などの眼科疾患は52ヶ所の医療機関が定点となって、毎週患者数が報告されています。

(ウイルス課 宮川 広実)


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