大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第57号− 2008年5月30日発行


5月の感染症

   2008年第20週(5月12日から5月18日)の定点あたり報告数の上位3疾患は、感染性胃腸炎(7.8)、A群溶連菌咽頭炎(2.5)、水痘(2.2)でした(()内は定点あたり報告数)。感染性胃腸炎は前週比15%、A群溶連菌咽頭炎は53%、水痘は10%増加しました。
( 平成20年第20週のトピックス(5/12〜5/18)  参照 )

 感染性胃腸炎の病原体定点機関の検体からは4月以降のA群ロタウイルスが15例、ノロウイルスが4例検出されています(5月23日現在)。A群溶連菌咽頭炎は堺市(4.3)、大阪市南部(3.5)、南河内(3.2)、大阪市東部(3.1)で報告が多くなっています。

 第4位の咽頭結膜熱は定点あたり0.9、第6位の手足口病は0.5と報告はまだ多くありませんが、今後これらの夏型感染症が増加すると予測されます。手足口病はその名の通り、手、足、口腔粘膜などに水疱性の発疹がみられる主に乳幼児の疾患で、エンテロウイルス71型とコクサッキーA16型が主な原因ウイルスです。通常は軽症で経過する感染症ですが、特にエンテロウイルス71型による手足口病の流行時にまれに脳炎などの中枢神経系の合併症など重症例が出現することが知られています。今年は中国でエンテロウイルス71型による手足口病の流行と死亡例の出現が報告されており、今後の動向が注目されています。

 第20週までに大阪府では250例の麻しん報告がありました。当所のHPではブロック毎の報告数を毎週更新していますので、ご参照ください。
( 大阪府内の麻しん発生状況 参照 )

 17週には豊能・大阪市北部の中学校での集団発生の報告があり、学校閉鎖や学年閉鎖の対応もとられています。他地域から修学旅行等で大阪府を訪れた集団から麻しん患者の発生報告もあるなど今後も引き続き注意が必要です。患者が発生する前に、集団の免疫保有率を高く維持することが何よりの予防です。現在の患者報告もワクチン接種歴のない年長者の報告が目立ち、流行を起こさないためには2回接種の徹底が重要であることから、1歳と小学校就学前の1年間に加え、本年4月から中1・高3も定期接種の対象になっています。定期接種の対象者は早急にワクチン接種をお願いいたします。

定点*:

 大阪府内の感染症発生動向を把握するために、インフルエンザは307ヶ所、感染性胃腸炎、水痘などの小児科疾患は199ヶ所、流行性角結膜炎などの眼科疾患は52ヶ所の医療機関が定点となって、毎週患者数が報告されています。

(ウイルス課 宮川 広実)


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