大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第58号− 2008年6月30日発行


6月の感染症

 2008年第24週(6月9日から6月15日)の定点あたり報告数の上位3疾患は、感染性胃腸炎(5.6)、A群溶連菌咽頭炎(3.1)、水痘(1.9)でした(()内は定点あたり報告数)。感染性胃腸炎は前週比11%、A群溶連菌咽頭炎は13%、水痘は9%減少しました。
 ( 平成20年第24週のトピックス(6/9〜6/15)  参照 )

 感染性胃腸炎の5月以降の病原体定点機関の検体からはA群ロタウイルスが1例、ノロウイルスが1例検出されています(6月20日現在)。

 第4位の手足口病は38%増で、南河内の定点あたり3.9が目立ちます。当所では今シーズンの手足口病患者の検体からはコクサッキーA16型が1例検出されているのみで、エンテロウイルス71型はまだありません。国立感染研のHPによると全国的にも今のところコクサッキーA16型の検出が多いようです。第5位の咽頭結膜熱は21%増加、第6位のヘルパンギーナは73%増加と夏型感染症が増加しています。

 麻しんの報告は大きな増加は無いものの続いています。引き続き地域の予防接種率を高く維持して、感染の拡大を防ぐことが重要です。しかし厚生労働省から公開された昨年度の第2期(就学前)の麻しん風しんワクチンの接種率調査では、大阪府は46位と全国でも2番目に低いという結果で、中間報告の42位よりさらに順位をさげています。今回接種を受けることがなかった多くの対象者には、今後定期の接種機会はありません。制度上2回接種となってもこのように低い接種率を持続していては、流行をなくすことはできません。今年度から始まった3期、4期も含め、ワクチン接種率の向上に関係者の方々のご協力をお願いします。

 また気温も上昇してきており、細菌性の食中毒にも注意が必要な季節になってきました。5月には府内で17例の腸管出血性大腸菌感染症が報告されています。今年に入ってHUS(溶血性尿毒症症候群)発症例も3例(本人から菌の検出、抗体の上昇が確認されなかったものの、家族からO157が検出された乳児事例を含めると4例)報告されています。幼児や高齢者に加熱が不十分な肉を食べさせないことはもちろん、家族が肉の生食により感染し、乳幼児に2次的な感染がおこる可能性もあることから注意を促していただきたいと思います。

定点*:

 大阪府内の感染症発生動向を把握するために、インフルエンザは307ヶ所、感染性胃腸炎、水痘などの小児科疾患は199ヶ所、流行性角結膜炎などの眼科疾患は52ヶ所の医療機関が定点となって、毎週患者数が報告されています。

(ウイルス課 宮川 広実)


▲ページの先頭へ