大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第60号− 2008年8月29日発行


化粧品に配合されるホルムアルデヒドドナー型防腐剤

 細菌などによる汚染を防ぐため、化粧品には通常、防腐剤と呼ばれる物質が配合されています。それら防腐剤の中に、分解等によりホルムアルデヒドを遊離する物質の存在が知られており、通称、ホルムアルデヒドドナー型防腐剤(「ドナー型防腐剤」)と呼ばれています。イミダゾリジニルウレア、DMDMヒダントイン(1.3-ジメチロール-5,5-ジメチルヒダントイン)、ブロノポール、ジアゾリジニルウレアなどの物質が「ドナー型防腐剤」に該当します。

 ホルムアルデヒドは近年、化学物質などによる住居内の空気汚染が原因でおこる、シックハウス症候群を引きおこす物質のひとつとして大きな注目をあつめています。また、WHO(世界保健機関)の付属機関であるIARC(国際がん研究機関)による調査では、人に対する発癌性が認められています。

 我が国では現在、イミダゾリジニルウレアおよびDMDMヒダントイン以外の「ドナー型防腐剤」の化粧品への配合は、薬事法で禁止されています。しかし、欧米では、この様な防腐剤が一般に使用されており、化粧品に配合される防腐剤全体の中で、占める割合もかなり高くなっています。

 近年、インターネット等の普及により外国から個人輸入される化粧品の数が飛躍的に増加していますが、その中には「ドナー型防腐剤」が配合されたものが多数含まれています。さらに、年間600万人とも言われる海外旅行者がお土産として購入する化粧品の中にも「ドナー型防腐剤」が配合された製品が多数存在します。化粧品は、ほぼ毎日使用され且つ人体に直接接触することから、安全性に関して特別の配慮が必要であると考えられます。

 我々は、「ドナー型防腐剤」が配合された化粧品を日常的に使用した場合、どのくらいの量のホルムアルデヒドに暴露される可能性があるのか?と言う課題について研究を行っています。また、ほとんどの化粧品は、特に使用期限が定められておらず、長期間にわたり使用される可能性が考えられることから、長期間保存した場合、どのくらいの日数で、どのくらいの量のホルムアルデヒドが遊離するのかについても研究を進めています。さらに、ホルムアルデヒドの遊離を抑制する条件および抑制する物質についての検討も併せて行っています。

 今までに行われた研究により、「ドナー型防腐剤」から遊離するホルムアルデヒド量は、化粧品のpHと密接な関係があること、温度が高い程、遊離するホルムアルデヒド量が顕著に増加することなどの知見が明らかとなっています。

(薬事指導課 梶村計志)


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