大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第62号− 2008年10月31日発行


10月の感染症

 2008年第42週(10月13日から10月19日)の定点あたり報告数の上位3疾患は、感染性胃腸炎(2.8)、A群溶連菌咽頭炎(1.4)、RSウイルス感染症(1.0)でした(()内は定点あたり報告数)。感染性胃腸炎は前週比7%減少、A群溶連菌咽頭炎は7%、RSウイルス感染症は4%の増加でした。  ( 平成20年第42週のトピックス(10/13〜10/19)  参照 )

 RSウイルス感染症が昨年に比較して増加が早く、定点あたり報告数も1.0を超えました。これからRSウイルス感染症、インフルエンザなどの冬型感染症が増加する季節です。堺市では第40週に府内今シーズン初のB型インフルエンザウイルスが分離されました。また小学校の学級閉鎖報告もあり、やはりB型インフルエンザウイルスが検出されています。府内305か所の定点からのインフルエンザ報告も第40週の4例から第41週15例、第42週91例と増加し、特に泉州ブロックで73例と目立ちます。

 今年のインフルエンザのワクチンは抗原として、A/Brisbane(ブリスベン)/59/2007(H1N1)、A/Uruguay(ウルグアイ)/716/2007(H3N2)、B/Florida(フロリダ)/4/2006が含まれており、全て昨年のワクチンとは異なる株になっています。

 昨シーズンのインフルエンザの流行は大阪府では主にAH1亜型(ソ連型)によるものでした。当所で分離されたAH1亜型株のうち35.1%(20/57株)が昨年のワクチン株であるA/solomon Islands/3/2006(H1N1)とは抗原性が異なっていました。AH3亜型(香港型)については当所で分離されたのは、ワクチン株であるA/Hiroshima/52/2005と類似の抗原性を持つ1株のみでしたが、WHOによると(Weekly epidemiological record,83,9(77-88))世界的にみると、昨シーズンの多くの分離株が昨年のワクチン株とは抗原性が異なっていました。B型は当所で分離された2例はワクチン株のB/Malaysia/2506/2004と抗原性が類似したビクトリア系統株でしたが、世界的にはビクトリア系統と山形系統の両方の流行が続いており、今年の推奨株は山形系統株であるB/Florida/4/2006に変更されています。

 府内の患者報告はまだ少なく、今シーズンの流行状況を予測することはまだできませんが、大阪府南部では例年より早く増加傾向が認められています。特に高齢者や基礎疾患をお持ちの方はワクチンによる予防が有効ですので主治医の先生とご相談の上、流行期に備えてください。ワクチン接種後有効な免疫が獲得されるまでには約2週間かかるということを考慮した接種スケジュールをお勧めします。

定点*:

 大阪府内の感染症発生動向を把握するために、インフルエンザは307ヶ所、感染性胃腸炎、水痘などの小児科疾患は199ヶ所、流行性角結膜炎などの眼科疾患は52ヶ所の医療機関が定点となって、毎週患者数が報告されています。

(ウイルス課 宮川 広実)


▲ページの先頭へ