大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第64号− 2008年12月26日発行


ノロウイルスの検出法について

 ノロウイルスは、以前は小型球形ウイルス(SRSV)と呼ばれていた、カリシウイルス科ノロウイルス属のウイルスです。大きくわけると遺伝子グループ I (GI)とII (GII)に分けられ、さらにGIは15、GIIは18以上の遺伝子型に細分されています。

 ノロウイルスはあらゆる年齢層に感染するのが特徴で、主な症状は、嘔吐、下痢、腹部膨満感、倦怠感、発熱(微熱)ですが、若年層では嘔吐が主症状です。感染性が強く食中毒や集団感染症を起こし、寒い時期に流行しやすいウイルスです。

 ところが、最近まで、迅速簡便で正確な検出法が確立されておらず、診断までに時間がかかっていました。そこで私達は目的の遺伝子 (DNA)を一定温度で特異的にしかも爆発的に増幅させることのできるLAMP法を利用して、一本のチューブ内でノロウイルスのRNAを鋳型に相補的なcDNAを作製しながら、そのcDNAを鋳型に目的遺伝子を増幅する RT-LAMP法のプライマーセットを開発しました。この方法は簡易で、GIとGIIに分けて検査を行い、反応後1時間以内に結果が判明します。また、特異性が高く、高感度で信頼性が高い結果が得られるので、迅速診断に向いています。表にその他の検出方法について記載しましたので、その他の方法と比較してみて下さい。また図にRT-LAMP法による検出結果を示しました。これからも検出法についてはより良いものを開発していきたいと思っています。

(細菌課  依田 知子)


表 ノロウイルス検出法と所要時間および特徴





図 RT-LAMP法によるノロウイルスの検出例


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