大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第66号− 2009年2月27日発行


水道水質検査における検査精度の向上について

 大阪府では府内の水道事業体、保健所等の水道水質検査機関の検査精度の向上を図ることを目的として、平成5年度より「大阪府水道水質検査外部精度管理」を実施しています。この外部精度管理は、当所で作成した試料を水道水質検査機関が測定し、その結果について統計・解析を行い、分析精度が保たれているかどうかを確認するものです。平成19年度は対象項目を無機物質は「ナトリウム及びその化合物」、有機物質は「クロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン、ブロモホルム及び総トリハロメタン」とし、無機物質で39機関、有機物質で34機関の参加をえて実施しました。

 一方、建築物飲料水水質検査業の知事登録を受けている事業所に対しては、その検査精度の向上とより一層の信頼性確保を目的として、平成19年度より「大阪府建築物飲料水水質検査業外部精度管理」を行うこととしました。平成19年度は、対象項目を上記の有機物質と同じ「クロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン、ブロモホルム及び総トリハロメタン」とし、自社検査を行っている35 事業所を対象とし実施しました。

 このうち、今回は「クロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン、ブロモホルム及び総トリハロメタン」に関する結果について紹介します。


 (1) 大阪府水道水質検査外部精度管理

 検査は「水道基準に関する省令の規定に基づく厚生労働大臣が定める方法」に従い行うこととしました。34機関の測定値を統計処理し検査結果の精度を確認したところ、Z スコア*の絶対値が3 を超えた機関は、クロロホルムで2機関、ブロモジクロロメタンで2機関、ブロモホルムで1機関及び総トリハロメタンで2機関でした。ジブロモクロロメタンでは絶対値が3未満に収まりました。従って、参加した機関の大半で精度が確保されており、概ね良好な外部精度管理結果が得られました。


 (2) 大阪府建築物飲料水水質検査業外部精度管理

 試料は大阪府水道水質検査外部精度管理と同じものを用いました。Z スコアの絶対値が3 を超えたところは、クロロホルムで2 事業所、ブロモジクロロメタンで2 事業所、ジブロモクロロメタンで2 事業所、ブロモホルムで2 事業所、及び総トリハロメタンで3事業所であり、参加した大半の事業所で精度が確保されており、概ね良好な結果が得られました。


 (3) 検査精度の向上に向けて

 上の2つの外部精度管理で、Zスコアの絶対値が3を越えた機関(事業所)については、標準作業手順書、検量線、クロマトグラム及び計算方法等を精査し、その原因究明を行いました。これらの結果は、参加機関(事業所)を対象にした結果報告会において、解析で明らかになった留意点とともに、周知を図り、精度の向上に役立てています。
 以上のように、当研究所においては、水道水質検査における外部精度管理を実施することによって、府内の水道水質検査機関の検査精度の向上を図り、水道水のさらなる安全性、快適性の確保に努めています。

*Zスコア

 正規分布を用いる統計学的検定法で、報告値と中央値とが、統計的にみて有意に差があるかどうかを検定する方法で、Zスコアの絶対値が3以上になれば信頼性が保たれていないことなります。


(環境水質課 小泉 義彦)


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