大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第69号− 2009年5月29日発行


新型インフルエンザについて

 4月に海外でその発生が明らかとなり、毎日のように新聞やニュースで取り上げられている新型インフルエンザですが、日本でも複数の都府県で感染者が確認され、大阪でも感染者が確認されました。この新しいウイルスはA型のH1N1と呼ばれるインフルエンザウイルスです。毎年冬に人の間で流行を起こす季節性のインフルエンザウイルスにはA型とB型があり、A型はさらに香港型(H3N2)とソ連型(H1N1)に分かれます。新型ウイルスはソ連型と同じH1N1ですが、その遺伝子のタイプがソ連型とは異なり、過去に豚に感染が確認されている数種類のインフルエンザウイルスを組み合わせたタイプであったため当初は豚インフルエンザと呼ばれました。しかし高病原性トリインフルエンザ(H5N1)と違う点として、この新型ウイルスは豚の間では流行しているわけではなく、豚との接触や豚肉の調理が危険ということはありません。

 多くの方はこの新しいウイルスに対する免疫を持っていないと考えられるため、非常に多くの方に感染が広がる可能性がありますが、現在のところ基礎疾患などがない限り重症化する危険性は低いと考えられます。また、オセルタミビル(商品名:タミフル)やザナミビル(商品名:リレンザ)といった抗ウイルス薬も効果がありますのでいたずらに心配する必要はありません。しかし、この新しいウイルスの病原性や薬剤耐性についてはその変化が予測できない部分もあり、今後の動向を注意深く観察しなければいけません。また、新型インフルエンザウイルスに比べてより病原性が強いトリインフルエンザウイルスの鳥から人への感染も依然としてアジアを中心に散発的に続いており、こちらも新型インフルエンザと併行して注意を注がなければいけません。

 新型インフルエンザは従来の季節性のインフルエンザと同じように感染を予防することが最も大切です。発症している人の咳やくしゃみとともに空中に放り出されたウイルスを吸い込むことで感染しますので、うがい、手洗い、マスクといった予防法が有効です。もし感染の機会があった後に発熱などの症状がみられるなど、新型インフルエンザウイルスへの感染が疑われる場合には最寄りの保健所に相談する必要があります。症状がみられた方だけでなく、家族や周囲の方もマスクの着用や手洗いを十分心がける必要があります。

(ウイルス課 廣井 聡)




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