【お詫び】昨日、メルマガ読者の方から、当所の発信を装う不審なメールが29日に届いたとの連絡がありました。
29日にメルマガ読者の皆様宛にメール送信した事実はなく、
コンピュータウイルスの可能性を考慮し調査を進めています。
今後はこのようなことのないよう、万全の体制を整えていく所存です。
今後とも「かわら版@iph」の愛読をよろしくお願いいたします。
 
 
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                                                               2004年3月31 日 第7号
      
    目次
・巻頭言
・ 今月の話題
1) 2003/2004シーズン、ヒトインフルエンザは終息へ!
2) 健康危機管理事例の収集
・ 研究の窓から
1) 化学物質の内分泌かく乱作用のスクリーニング評価(甲状腺ホルモンに対する影響)
2) 二枚貝の麻痺性貝毒
   
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 今冬は昨年のSARSにかわり鳥インフルエンザが猛威をふるいました。近畿でも2月末に京都府での事件が起こり、それに続いてカラスでの発生が京都府と大阪府で確認されました。韓国でも収まったかに見えましたが鶏での再発生が見られ、カササギからも検出されています。遺伝子から見ると、日本の発生は韓国からの渡り鳥説が有力に思えますが、まだまだ Missing Link が多くあります。東南アジアの株はまた異なるようです。鳥インフルエンザ対策には多方面からの措置が必要ですが、感染経路の解明も非常に重要です。国際的な協力によって、解明の進むことが期待されます。
 
*今月の話題
1)2003/2004シーズン、ヒトインフルエンザは終息へ!
 
 大阪府でのインフルエンザの流行はほぼ終息しました。感染症発生動向調査および学童集団発生調査によって、当所に搬入されたインフルエンザ様患者検体から52株のインフルエンザウイルス分離されました。すべてAH3型でした(大阪市内ではB型インフルエンザウイルスも確認されています)。そのうち51株について、国立感染症研究所から分与されたフェレット抗血清で予備的・速報的にHI試験で抗原解析したところ、51株すべては、A/Kumamoto/102/2002(A/福建/411/2202類似株で2004年南半球のワクチン推奨株)とほぼ同様の抗原性を示しました。その内34株は本シーズンのワクチン株であるA/Panama/2007/99とも高い交差反応性を示しました。A/Panama/2007/99と4倍以上のずれを示した株は33.3%(17株)でした。なお、詳細な抗原解析は全国の分離株を用いて国立感染症研究所が行うことになっています。 (ウイルス課 加瀬)
 
2)健康危機管理事例の収集
 公衛研では、全国の地方衛生研究所(地衛研)が取り扱った健康危機管理事例の収集を実施してきました。各地衛研に、対応事例の中で特殊な例や今後の対応の参考になると考えられるものについて、発生時期、場所、原因、規模(患者数、死亡者数)および概要の記載を依頼しました。さらにその中から、特に今後の参考となると思われる事例を選び出し、地衛研や行政の対応、連携内容、原因究明、教訓、反省、現状、問題点などについて詳細な報告を依頼しました。昭和40年以降の事例集の総件数は概要報告1096件、詳細報告203件となりました。これらの報告は大阪府立公衆衛生研究所のホームページ
(
http://www.iph.pref.osaka.jp/report/harmful/index.html)
の健康危機事例→事例集(条件検索機能付き)から発信しています。是非ご参照してください。   (企画調整課 井上)
 
*研究の窓から
 
1) 化学物質の内分泌かく乱作用のスクリーニング評価(甲状腺ホルモンに対する影響)
 
 近年、内分泌かく乱化学物質いわゆる環境ホルモンについて関心が高まっています。内分泌かく乱化学物質による問題とは、ある化学物質が本来のホルモンと似た働きをして生体をかく乱したり、生体のホルモン量を変化させたりすることによって生殖機能や神経系等に悪影響を及ぼしている可能性があるということです。それらの可能性が指摘されている化学物質には、いくつかの農薬、アルキルフェノール、ダイオキシン類、ポリ塩化ビフェニール及びビスフェノールA等が挙げられています。我々の生活環境中には、多くの化学物質が存在するため、それらの内分泌かく乱作用を持つ可能性についてスクリーニングしなくてはなりません。そのスクリーニング方法の一つに酵母 Two-hybrid 法があります。
 これまで、エストロゲン(女性ホルモン)への影響評価に関する研究が盛んに行われてきましたが、アンドロゲン(男性ホルモン)や甲状腺ホルモンに対する影響についても内分泌かく乱作用の観点から安全性の評価が求められています。当所では、酵母 Two-hybrid 法を用いて化学物質の甲状腺ホルモンに対する影響を調べています。甲状腺ホルモンは、エネルギー代謝の調節、神経系の発育及び骨や骨格筋の発達等で非常に重要な役割を果たしています。これまでに、私たちが日常生活を通して比較的接する機会が多い約 130 種類の化学物質(添加物、可塑剤、高分子原料、難燃剤等)について評価を行った結果、o-tert-ブチルフェノール及び o-イソプロピルフェノールに甲状腺ホルモンに類似した作用が認められました。しかしながら、これら化学物質の作用は甲状腺ホルモン(3,5,3’-トリヨードチロニン)の約 1/1万から1/10万 と非常に弱い作用でした。また、これら化学物質は単独で使用されることはなく、プラスチック樹脂合成の際に不純物として存在する程度であり、私たちが日常生活において高濃度に暴露される可能性は極めて低いと考えられます。
 化学物質の生体影響を評価するうえで有用な基礎的情報を提供するために、甲状腺ホルモンだけでなく、各種ホルモン系(エストロゲン、アンドロゲン)に対する多面的な影響評価を今後も行う予定です。        (食品化学課 北川陽子、高取 聡、堀 伸二郎)
 
2)二枚貝の麻痺性貝毒
 
 1975年、三重県尾鷲湾で麻痺性貝毒産生鞭毛藻Alexandrium catenellaによる赤潮発生の発見以来、日本各地で数種の毒化原因プランクトンの発生が確認されています。麻痺性貝毒は、これらを摂取するホタテガイ、ムラサキイガイ、アサリ、アカザラ、ヒオウギなど二枚貝の主として中腸腺に蓄積されます。
 有毒貝類の摂食による中毒症状は、フグ中毒と同様で、唇、手足のしびれに始まり、重症では呼吸麻痺に陥り死亡します。
 麻痺性貝毒検査法としては、マウス試験法、機器分析法がありますが、高価な機器や高度な専門技術が要求されるため、簡便迅速な検査法が望まれています。当所では、抗原抗体反応と酵素反応を利用した、酵素免疫測定法(ELISA)を開発し、現在、その有効性を検討しています(農水省プロジェクト研究「現場即応型貝毒測定技術と安全なモニタリングシステムの開発」に参画)。
 大阪府では食の安全推進課と水産課が中心となって潮干狩りが行われる近辺でアサリを定期的に採集して毒性の有無を調べています。当所では、貝毒検査を担当しています。毒化した貝が見つかった場合には、食の安全推進課及び水産課が発表し、関係機関と共に巡回指導することになっています。ちなみに、平成14年3月26日から、4月17日に安全宣言が出されるまで、二色の浜における潮干狩りの自粛要請がなされています。
 まもなく、潮干狩りのシーズンです。アサリ掘りを楽しみにお出かけの際、一寸そんなことを思い出して下さい。 (細菌課 濱野)
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