大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第70号− 2009年6月30日発行


北朝鮮の地下核実験にともなう放射能調査−異常値観測されず−

 平成21年5月25日、北朝鮮が平成18年10月以来2度目となる地下核実験を行いました。

 一般的に、核実験が地下で行われた場合は、大気中に放射性物質が放出される可能性は低いと考えられますが、安全を確認するために、当所では文部科学省からの指示に従い、普段から文部科学省の委託で行っている放射能調査のモニタリング強化を行いました。その内容は、@空間放射線量率の24時間測定、A大気浮遊じん中の放射性核種分析(エアーサンプラーで24時間に吸引採取し、ゲルマニウム半導体核種分析装置で約6時間測定)及び B雨やちりなどの降下物中の放射性核種分析(24時間に採取し、ゲルマニウム半導体核種分析装置で約6時間測定)です。また、全国の都道府県においても同様のモニタリング強化が行われました。この調査の結果は順次、文部科学省のホームページで公開されています。

 ちなみに、前回の核実験時(平成18年10月9日)においても同様なモニタリング強化が行われましたが(平成18年10月9日〜24日)、その時には、 空間放射線量率が40〜48nGy/hr(平成18年度の年間値は39〜66nGy/hr)であり、 また、降下物、大気浮遊じんに対する放射性核種分析においても、人工放射性核種は検出されず、 核実験による府内への影響は認められませんでした。 また、全国においても同様でした。

 今回のモニタリング強化は、5月25日から6月5日まで12日間にわたり行われましたが、前回同様、大阪府においてもまた全国においても、空間放射線量率の異常値や人工放射性核種は検出されませんでした。今後、放射能調査は、平常時の体制に戻りますが、異常値が観測された場合は速やかに国に連絡することとしています。また、新たな事態に至った場合は、安全を確認するため、国と連携し、放射能調査の強化を行う予定です。


(生活環境課 肥塚 利江)


*空間放射線量率:

 空気中を通過する放射線の量、単位は グレイ/時間(Gy/hr等) で示される(グレイ:放射線が物質を通過するとき物質に与えるエネルギー量を示す単位)。

*ゲルマニウム半導体核種分析装置:

 ガンマ線のエネルギーと量を分析し、試料中に含まれるガンマ線放出核種の種類と放射能濃度を求める装置。

*人工放射性核種:

 自然界には存在しない人工的に作られた核種



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