大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第71号− 2009年7月31日発行


7月の感染症

 2009年第29週(7月13日から7月19日)の定点あたり報告数の上位3疾患は、ヘルパンギーナ(6.3)、感染性胃腸炎(3.2)A群溶連菌咽頭炎(1.1)でした(()内は定点あたり報告数)。ヘルパンギーナは前週比20%増加、感染性胃腸炎は20%、A群溶連菌咽頭炎は16%減少しました( 平成21年第29週のトピックス 参照)

 ヘルパンギーナの増加が続いています。手足口病も定点当たり0.8とまだ報告数はそれほど多くはありませんが26%増加しており、夏型感染症に注意が必要な季節となりました。 

 夏休みに入りますが低年齢の発症が多い疾患でもあり保育所等での流行はしばらく続くと思われます。ヘルパンギーナや手足口病の原因ウイルスであるエンテロウイルスの感染症は、ほとんどが軽症で経過しますが、髄膜炎などの重篤な症状をおこすこともあります。

 新型インフルエンザは府内全域で依然として報告が続いています。
 発生の初期の5月の流行では、迅速診断キットでA型が陽性として当所に搬入される検体の中には、PCR検査でインフルエンザウイルスが陰性と判断されるものや季節性のA型インフルエンザが検出されるものが相当数ありましたが、6月下旬以降はキットでA型が陽性の事例のほとんどから新型インフルエンザが検出されています。

 今後新型インフルエンザ対策の方針は、患者数の増大に備え医療体制の充実や、集団発生や重症例の把握に重点をおいた検査体制へと移行していくことになっています。患者数が増加するに伴い重症例も一定の頻度で出現することが予測されます。特に小児ではすでに国内で脳症事例も報告されており今後も要注意です。原因の病原体が何であるかに関わらず、急性脳炎・脳症事例は感染症法では5類全数報告疾患として診断後7日以内に保健所への届け出をお願いします。届出基準、届出票は当所のホームページにも掲載されています。

 病原体サーベイランスとしてウイルスの性状の監視も引き続き行われる予定です。府内でも、患者家族でタミフルを予防内服していたにも関わらず症状を呈した事例から、タミフル耐性の遺伝子変異を有する新型インフルエンザウイルスが検出されています。その後周囲に耐性ウイルスが拡大しているというようなことはありませんが、今後も病原性や薬剤感受性など注意深い監視が必要です。

定点*:

 大阪府内の感染症発生動向を把握するために、インフルエンザは305ヶ所、感染性胃腸炎、水痘などの小児科疾患は198ヶ所、流行性角結膜炎などの眼科疾患は52ヶ所の医療機関が定点となって、毎週患者数が報告されています。

(ウイルス課 宮川 広実)


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