大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第74号− 2009年10月30日発行


10月の感染症

 2009年第42週(10月12日から10月18日)の定点あたり報告数の上位3疾患は、インフルエンザ(23.3)、感染性胃腸炎(2.3)、流行性耳下腺炎(0.6)でした(()内は定点あたり報告数)。インフルエンザは前週比37%の増加、感染性胃腸炎は13%、流行性耳下腺炎は20%の減少でした。(平成21年第42週のトピックス 参照)

 インフルエンザは7116例の報告がありました。ブロック別の定点あたり患者数は南河内35.3、大阪市西部34.9、泉州34.5、堺市31.3で特に高く、警報レベルを超えています。年齢別の報告では、5歳から14歳が全体の72%を占めており、小・中学生を中心に流行が拡大しているといえます。現在のところ、病原体検出事例のほとんど全てが新型インフルエンザで今のところ季節性インフルエンザの検出はありません。堺市を除く10ブロックで増加しており、まだ患者報告は増加すると考えられますので注意が必要です。

 第41週に発熱、意識障害があり、ペア血清で中和抗体価が上昇し日本脳炎と診断された事例の報告がありました。大阪府内に居住する40代の女性事例で8月半ばに発症されています。感染したと推定される時期に滋賀県への旅行歴もありますが、いずれにしても近畿地方で感染・発症された事例と考えられ、厚労省の感染症流行予測事業として行われている豚の日本脳炎抗体調査の結果から見ても、西日本のどの地域でも日本脳炎ウイルスに暴露される危険はあるといえます。今回の患者さんのワクチン接種歴は不明です。今シーズンから細胞培養ワクチンが供給されるようになりましたが、一期初回の定期接種の対象者の方でもまだ未接種の方が多いのでは無いかと思います。日本脳炎ワクチンの積極的接種勧奨の差し控えは継続しているとはいえ、ワクチンの接種率が低下すると発症者の増加につながるおそれがあります。接種の必要性について対象者の方への周知をお願いしたいと思います。

定点*:

 大阪府内の感染症発生動向を把握するために、インフルエンザは305ヶ所、感染性胃腸炎、水痘などの小児科疾患は198ヶ所、流行性角結膜炎などの眼科疾患は52ヶ所の医療機関が定点となって、毎週患者数が報告されています。

(ウイルス課 宮川 広実)


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