大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第79号− 2010年3月31日発行


3月の感染症

 2010年第11週(3月15日から3月21日)の定点あたり報告数の上位3疾患は、感染性胃腸炎(7.6)、水痘(1.9)、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(1.3)でした(()内は定点あたり報告数)。感染性胃腸炎は15%、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は26%の減少、水痘は17%の増加でした。(平成22年第11週のトピックス 参照)

 冬季に患者数が増加する感染性胃腸炎は例年年末に患者数のピークがありますが、今シーズンは年が明けてから第4週に定点あたり11.2とピークを迎えました。その後患者数が高いレベルで推移していましたが第9週以降3週連続して減少しています。しかしながらノロウイルスや件数は少ないもののサポウイルスやロタウイルスを原因とした集団感染の報告も続いていますので、引き続きご注意下さい。2月以降の病原体定点機関の検体からはノロウイルスGU型が2例、A群ロタウイルスが1例検出されています。(3月23日現在)

 インフルエンザは昨年第44週の定点あたり35.9をピークとしてその後減少し、第8週に定点あたり1未満となり流行は終息しました。今シーズンは新型インフルエンザ(AH1pdm)のみが流行し、当所では季節性インフルエンザの検出はAH1、AH3、B型ともに今のところありません。府内全体でも堺市で昨年第47週にB型インフルエンザウイルス(山形系統株)が1例検出されたのみで、それ以外に今シーズン検出された季節性インフルエンザウイルスはありません。

 本年1月に、神戸市でワクチンを受けていない乳児がワクチン由来のウイルスに感染してポリオを発症した例がありました。ポリオワクチンは病原性を弱めたウイルスを使用している生ワクチンで、注射ではなく口から飲んで接種を受けます。ポリオの接種を受けると腸の中でワクチンウイルスが増殖し免疫をつくるので、便の中にはワクチンウイルスが排泄されています。そのためごくまれにワクチンの接種を受けた人や、その便中のウイルスに接触した周囲の人にポリオにかかった場合と同じ症状が現れることがあります。ワクチンを受けた後は便の中にワクチンウイルスが数週間にわたって(平均約26日)排泄されています。便やおむつの取り扱いには十分注意し、おむつ替え後の手洗いをしっかり行ってください。(参照ページ 感染症ものしり講座(27)

 間もなく新学期を迎えますが、新しく集団生活を送る小児の間で感染症が流行しがちです。ワクチンで予防できる疾患は接種を受けることをおすすめします。麻しん風しんワクチンを定期接種として受けられるのは1歳時の1年間と小学校就学前の1年間ですが、中学1年生と高校3年生の方にも2012年までの年限付きで、定期接種が行われています。それ以外の年齢でも任意での接種は可能ですが、定期接種の対象者は無料で受けることができます。年度内に接種を受けるようにしてください。


定点*:

 大阪府内の感染症発生動向を把握するために、インフルエンザは305ヶ所、感染性胃腸炎、水痘などの小児科疾患は198ヶ所、流行性角結膜炎などの眼科疾患は52ヶ所の医療機関が定点となって、毎週患者数が報告されています。

(ウイルス課 宮川 広実)


▲ページの先頭へ