大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第81号− 2010年5月31日発行


5月の感染症

 2010年第19週(5月10日から5月16日)の定点あたり報告数の上位3疾患は、感染性胃腸炎(8.9)、水痘(2.2)、A群溶連菌咽頭炎(1.5)、でした(()内は定点あたり報告数)。感染性胃腸炎は前週比15%、水痘は13%、A群溶連菌咽頭炎は88%増加しました。 (http://www.iph.pref.osaka.jp/infection/surv10/surv19.html 参照)

 感染性胃腸炎の病原体定点機関の検体からは、4月以降A群ロタウイルスが6例検出されており(5月20日現在)、現在の小児の感染性胃腸炎の主な原因となっていますが、ノロウイルスが検出される感染性胃腸炎の集団感染も引き続き報告されています。調理や食事の前、用便後の手洗いを徹底してください。

 水痘は南河内(4.1)、中河内(3.3)で報告が多くなっています。水痘もワクチンで予防することができる疾患の一つです。水痘は罹患するとウイルスが体内に潜伏感染し、高齢になってから帯状疱疹を発症する方もおられます。また基礎疾患として免疫不全状態にある方では重症化する疾患で、ワクチンで予防されることをお勧めします。

 第5位の手足口病は前週比78%増加し定点当たり1.1となりました。例年夏に流行しますが昨年は流行が小さく第31週の0.86がピークで定点当たり1を超えることがありませんでした。今年は昨年の同時期に比較すると患者報告はかなり多くなっています。手足口病はその名の通り、手、足、口腔粘膜などに水疱性の発疹がみられる主に乳幼児の疾患で、エンテロウイルス(EV)71型とコクサッキーA(CA)16型が主な原因ウイルスです。通常は軽症で経過する感染症ですが、特にエンテロウイルス71型による手足口病の流行時にまれに脳炎などの中枢神経系の合併症など重症例が出現することが知られています。当所では今年1月以降、CA16型の検出はありませんがEV71型が4例検出されており、今後の動向に注意が必要です。

 3月以降例年に比較して全国的にA型肝炎の報告が多く、府内からも7例の報告(5月20日現在)がありました。A型肝炎ウイルスは潜伏期間中から便中に排泄され、ウイルスに汚染された水や食材を通じて感染が拡大します。当所HPに掲載されている情報「A型肝炎が増えています」(リンクhttp://www.iph.pref.osaka.jp/kansen/agatakanen.html)をご参照の上、食材の加熱や手指衛生の徹底などに充分留意してください。


定点*:

 大阪府内の感染症発生動向を把握するために、インフルエンザは300ヶ所、感染性胃腸炎、水痘などの小児科疾患は196ヶ所、流行性角結膜炎などの眼科疾患は50ヶ所の医療機関が定点となって、毎週患者数が報告されています。

(ウイルス課 宮川 広実)


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