大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第82号− 2010年6月30日発行


6月の感染症

 2010年第24週(6月14日から6月20日)の定点あたり報告数の上位3疾患は、感染性胃腸炎(6.1)、手足口病(2.4)、水痘(2.1)でした(()内は定点あたり報告数)。感染性胃腸炎は前週比17%、手足口病は2%、水痘は22%減少しました。 (http://www.iph.pref.osaka.jp/infection/surv10/surv24.html 参照)

 感染性胃腸炎の5月以降の病原体定点機関の検体からはA群ロタウイルスが3例検出されています(6月22日現在)。

 本年は昨年の同時期に比較すると手足口病の報告が多く第22週に定点あたり2.8となりましたが、その後2週連続でわずかながら減少しています。ブロック別でみると南河内の7.9が目立ちます。手足口病の主な原因ウイルスはエンテロウイルス(EV)71型とコクサッキーウイルス(C)A16型ですが、当所では今シーズンの手足口病患者の検体からはEV71型が6例検出されています(6月22日現在)。CA16型の検出は今シーズンはまだ無く、国立感染研のHPによると全国的にも今のところEV 71型の検出が多く、今シーズンの手足口病の流行はEV71型によるものといえます(https://hasseidoko.mhlw.go.jp/Byogentai/Pdf/data24j.pdf)。通常は軽症で経過する感染症ですが、EV71型による手足口病の流行時にまれに脳炎などの中枢神経系の合併症など重症例が出現することがありますので、今後の動向に注意が必要です。

 気温も上昇してきており、細菌性の食中毒にも注意が必要な季節になってきました。腸管出血性大腸菌感染症も増加しており、府内では5月に17例、6月に入ってから21例の報告がありました。幼児の1例では、溶血性尿毒症症候群の発症も報告されています。幼児や高齢者に加熱が不十分な肉を食べさせないことはもちろん、家族が肉の生食により感染し、乳幼児に2次的な感染がおこる可能性もあることから注意していただきたいと思います。


定点*:

 大阪府内の感染症発生動向を把握するために、インフルエンザは300ヶ所、感染性胃腸炎、水痘などの小児科疾患は196ヶ所、流行性角結膜炎などの眼科疾患は50ヶ所の医療機関が定点となって、毎週患者数が報告されています。

(ウイルス課 宮川 広実)


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