大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第83号− 2010年7月30日発行


医薬品の回収について

 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器(医薬品等)は製造販売業者の責任で製品の試験を行い、その品質を確認した上で出荷されています。しかし、出荷時の判定に誤りがあった場合や、出荷後の製品に何らかの不備が見つかった場合には、製品の回収が行われます。

 たとえば、2009年度の医薬品の回収事例は、合計183件(注)あり、健康に対する影響により3種類に分類されています。このうち、重篤な健康被害又は死亡の原因となる製品の回収事例は114件で、すべて血液製剤でした。血液製剤は、献血によって提供された血液を原料としていることから、献血者から、健康状態などの申し出が後日にあった時は、回収が必要になることがあります。

 医薬品の中には、インフルエンザの感染を判定するときに使用する製品のような体外診断薬と呼ばれる製剤も含まれていますが、大半は病院などの検査で使用されるため、一般の消費者が体外診断薬を直接使用する機会はほとんどありません。体外診断薬を除くと、治療可能な健康被害の原因となるか重篤な健康被害の原因になるとは考えられない製品の回収事例は27件、健康被害の原因になるとは考えられない製品の回収事例は14件でした。

 回収の理由は、使用期限の印字ミスや包装容器の不具合など様々ですが、中には有効成分の含量が低下した製品や、配合そのものが間違っていた製品もありました。

 薬事指導課では、このような不適切な医薬品等の流通を防ぎ、府民の安全を守るため、試験検査部門と健康医療部薬務課との相互協力のもとに、市場に流通している医薬品等の品質、有効性、安全性の確保を目的として行政試験を毎年実施しています。この結果、製品が不適切であるものは、製造販売業者への指導とともに、回収の対応が取られています。

 これら回収情報については、新聞の記事として取り上げられることは少ないのが現状で、あまり一般の消費者には知られていません。製造販売業者は、製品の納入先(医療機関や医薬品の卸など)について把握しており、納入先や、店頭からの回収を行っています。また、製造販売業者のホームページの他、各種の新聞に、「製品回収に関するお知らせ」が掲載される場合もあるので、注意が必要です。

 2008年度以降の回収に関する情報は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構の医薬品医療機器情報提供ホームページ(http://www.info.pmda.go.jp/kaisyuu/menu.html)
で公表されています。

 注) 本文中で示した件数は、同一の理由で回収を行う複数の製品について、1件として報告されている場合があるため、回収された製品の数ではありません。

(薬事指導課 川口 正美)


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