大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第83号− 2010年7月30日発行


7月の感染症

 2010年第28週(7月12日から7月18日)の定点あたり報告数の上位3疾患は、手足口病(4.5)、ヘルパンギーナ(4.1)、感染性胃腸炎(4.0)(()内は定点あたり報告数)。手足口病は前週比9%、ヘルパンギーナは3%、感染性胃腸炎は9%と上位3疾患とも減少しました (第28週 ブロック別年齢別発生状況参照)。

 手足口病は第27週には定点当たり5.0で、今年は過去10年間で最も大きな流行となっています。夏休みに入りますが低年齢の発症が多い疾患であり、保育所等での流行はまだしばらく続くと思われます。手足口病の主な原因ウイルスはコクサッキー(C)A16型とエンテロウイルス(EV)71型ですが、今シーズンはEV71型のみが当所では検出されています。国立感染症研究所HP(週別エンテロウイルス71型&コクサッキーウイルスA16型分離・検出報告数)によると全国的にも今年はEV71型が流行しています。

 手足口病やヘルパンギーナの原因ウイルスであるエンテロウイルスの感染症は、ほとんどが軽症で経過しますが、髄膜炎などの重篤な症状をおこすこともあります。6月、7月の病原体定点の検体からのエンテロウイルス検出状況は、CA4型が3例、エコー6型が2例、9型が2例、EV71型が3例となっています(7月23日現在)。特にEV71型の感染症では中枢神経症状が問題になることがあり、今後も動向に注意願います。

 さて今年度は日本脳炎ワクチンの標準的な接種年齢である3歳児に対して、積極的な勧奨が再開されています (日本脳炎ワクチン接種に係るQ&A)。その他の1期の対象年齢の方(生後6か月〜90か月未満)についても、積極的な勧奨は行われていないものの、定期接種としての接種が可能です。日本脳炎は日本脳炎ウイルスの感染によっておこる中枢神経の疾患です。ブタなどの動物の体内でウイルスが増殖し、コガタアカイエカなどを介してヒトに感染します。近年は国内の日本脳炎の発生は少ないものの、昨年は近畿でも発症者が報告されました。また毎年行われているブタの日本脳炎ウイルス抗体調査からみても (http://idsc.nih.go.jp/yosoku/JEmenu-sw.html)日本脳炎ウイルスに暴露されるリスクがなくなっているわけではありませんので、対象者の方はワクチンを受けていただきたいと思います。


定点*:

 大阪府内の感染症発生動向を把握するために、インフルエンザは300ヶ所、感染性胃腸炎、水痘などの小児科疾患は196ヶ所、流行性角結膜炎などの眼科疾患は50ヶ所の医療機関が定点となって、毎週患者数が報告されています。

(ウイルス課 宮川 広実)


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