大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第84号− 2010年8月31日発行


トリカブトについて

 トリカブトはキンポウゲ科の多年草で名前の通り兜のような形をした青紫の花をつけます。全草に有毒成分を含んでおり、特に根には有毒成分が多く、誤って食べると呼吸麻痺、心臓麻痺をおこし死亡することがあります。代表的な植物として山に自生するヤマトリカブト(写真1)と園芸用に使われるハナトリカブト(写真2)があります。中毒を起こすのはヤマトリカブトのほうが多く山菜のヨモギやニリンソウ、モミジガサ(シドケ)と間違え食べることがあります。主な毒性成分はアコニチン、ヒパコニチン、メサコニチン、ジェサコニチンなどが知られています。毒性がある一方でウズ(烏頭)・ブシ(附子)と呼ばれる根部は減毒化することにより漢方薬として用いられ、強心、鎮痛などの薬理作用があります。

 日本においてトリカブトの歴史は古く、古事記にも記載されています。伊吹山でトリカブトの毒により日本武尊(ヤマトタケルノミコト)はもうろうとしながら山を退き、養生をする話があります。現在においてもトリカブトの中毒は発生しています。1984年1月から2005年5月までの間に岩手医科大学高度救命救急センターに搬送されたトリカブト中毒患者は,23例であり、症状なども詳細に報告されています(http://ccm.iwate-med.ac.jp/tori/tori.html)。なお2009年における日本中毒情報センターへのトリカブトに関する問い合わせ件数は7件となっています。誤食に気をつけて下さい。

(薬事指導課 岡村 俊男)


     

写真1                           写真2       


                      写真1及び写真2は昭和大学薬用植物園のHPより引用しました。