大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第84号− 2010年8月31日発行


8月の感染症

 2010年第33週(8月16日から8月22日)の定点あたり報告数の上位3疾患は、感染性胃腸炎(3.2)、流行性耳下腺炎(1.5)、ヘルパンギーナ(0.7)でした(()内は定点あたり報告数)。感染性胃腸炎は33%、流行性耳下腺炎は15%の増加、ヘルパンギーナは26%の減少でした (第33週ブロック別年齢別発生状況参照)。 第32週の報告が医療機関のお盆休みの影響もあり少なかったので、第31週と比較すると感染性胃腸炎、流行性耳下腺炎ともやや減少しています。

 感染性胃腸炎の患者数は例年通り夏期は少なくなっています。今年になってから第33週までの府内の腸管出血性大腸菌感染症患者数は119例で、昨年同時期に比較すると多くなっています。第34週には、73歳の死亡事例も報告されています。予防のために基本的な生活習慣として手洗いなどを徹底することはもちろんのこと、肉の生食は避けて感染の機会を減らすことが重要です。保育園など乳幼児の施設では下痢などの症状がある場合の便やおむつの処理、手洗いの励行などに加え、この季節は簡易プールの衛生管理などにも注意が必要です。

 ヘルパンギーナ、第4位の手足口病はともに第27週をピークに以後減少しており、夏型感染症は終息に向かっています。7月、8月の病原体定点の検体から検出された夏型感染症の主な原因ウイルスであるエンテロウイルスは、コクサッキー(C)B2型が12例、エンテロウイルス71型が11例、CA4型、CA5型、CA9型、CB1型が各1例でした(8月23日現在)。

 昨年は第31週にインフルエンザの定点あたり報告数が1を超え、府内の広い範囲で新型インフルエンザが流行し始めました。7月以降病原体サーベイランスのインフルエンザ検体から新型インフルエンザウイルスが1例、AH3(香港)亜型ウイルスが1例検出されています(8月23日現在)。今のところ府内でインフルエンザの流行はありませんが、今後新学期も始まりますので、新型インフルエンザのみならず、昨年ほとんど流行をみとめなかったAH3亜型やB型の動向にも注意が必要です。


定点*:

 大阪府内の感染症発生動向を把握するために、インフルエンザは300ヶ所、感染性胃腸炎、水痘などの小児科疾患は196ヶ所、流行性角結膜炎などの眼科疾患は50ヶ所の医療機関が定点となって、毎週患者数が報告されています。

(ウイルス課 宮川 広実)


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