大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第85号− 2010年9月30日発行


9月の感染症

 2010年第37週(9月13日から9月19日)の定点あたり報告数の上位3疾患は、感染性胃腸炎(2.7)、流行性耳下腺炎(1.1)、A群溶連菌咽頭炎(0.8)でした(()内は定点あたり報告数)。感染性胃腸炎は前週比12%、流行性耳下腺炎は8%の減少、A群溶連菌咽頭炎は18%の増加でした(第37週ブロック別年齢別発生状況参照)。

 第8位の手足口病(0.4)、第9位のヘルパンギーナ(0.2)は第32週以降定点あたり1を切っており、夏型感染症は終息しました。夏型感染症の主な原因ウイルスはエンテロウイルスやアデノウイルスですが、8月以降の病原体サーベイランスの検体では、エンテロウイルス71型が6例、コクサッキー(C)B2型が2例、エコー(E)6型が2例、CB1型が1例、E25型が1例検出されています(9/22現在)。

 第36週は9例、第37週は2例と府内のインフルエンザ報告数は今のところ非常に少ないですが、当所の病原体サーベイランス検体では8月以降AH3(香港)亜型が2例検出されています。

 2010年第1週から第37週までに麻しんは28例と少ないながら報告は続いています。現在のところ臨床診断での報告事例もありますが、ワクチン接種者では典型的な症状をとらないことや、非流行期においては他の発疹性疾患との鑑別が困難な事例もありますので、検査診断を行っていただきますようお願いします。麻しんの検査診断には急性期のIgM抗体の測定が一般的ですが、麻しんであっても発疹出現後4日目以内では、まだIgMの上昇がなく陰性と判定されたり、逆に風疹や突発性発疹、伝染性紅斑(リンゴ病)など他の疾患でも交差反応で陽性と判断される場合など、ワンポイントのIgMの測定だけでは正確な診断が難しい場合があります。衛生研究所では麻しん事例の血液、咽頭拭い液、尿などの検体から麻しんウイルスを検出する遺伝子検査やウイルス分離などの検査を行っています。麻しんが疑われた場合には、保健所に発生を届け出るとともに、迅速に正確な診断を行うためのウイルス検査にもご協力いただきますようお願いします。

 2009年度の大阪府の麻疹ワクチン接種率は第1期(1歳)93.7%、第2期(小学校就学前)88.9%、第3期(中学1年生)79.9%、第4期(高校3年生相当)68.1%でした。第2期、第3期の接種率は全国47都道府県中44位、4期の接種率は45位と他地域に比較しても前年度同様大阪府の予防接種率は非常に低いものになっています。麻しんの流行をなくすためには、2回接種を徹底し95%以上の接種率を持続することが必要です。定期接種の対象者の方は必ず接種を受けるようにして下さい。  


定点*:

 大阪府内の感染症発生動向を把握するために、インフルエンザは300ヶ所、感染性胃腸炎、水痘などの小児科疾患は196ヶ所、流行性角結膜炎などの眼科疾患は50ヶ所の医療機関が定点となって、毎週患者数が報告されています。

(ウイルス課 宮川 広実)


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