大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第87号− 2010年11月30日発行


11月の感染症

 2010年第45週(11月8日から11月14日)の定点あたり報告数の上位3疾患は、感染性胃腸炎(6.7)、A群溶連菌咽頭炎(1.8)、流行性耳下腺炎(1.2)でした(()内は定点あたり報告数)。感染性胃腸炎は前週比56%、A群溶連菌咽頭炎は60%、流行性耳下腺炎は21%の増加でした(ブロック別年齢別発生状況参照)。

 感染性胃腸炎が4週連続増加しています。第45週には泉州ブロックの保育所でノロウイルスが原因の集団感染も報告されています。感染性胃腸炎は毎年この時期から流行が始まりますが、流行とともに、保育所や医療機関、高齢者施設などで集団感染が問題となります。流行期には感染の拡大を防止するため食前、排便後、おむつ交換後の手洗い、汚物の処理を徹底することが大事です。

 さて昨シーズンのインフルエンザは、第44週の定点当たり34.8をピークとしてすでに減少傾向にありましたが、今シーズンは第45週の府内298定点からの報告は22例、定点あたり患者数0.07でまだ流行の兆しは認められていません。当所ではインフルエンザの患者検体から9月以降AH3(香港)亜型ウイルス2例、新型(AH1N1pdm)ウイルス2例が検出されています。国立感染症情報センターのホームページによると全国的にはAH3亜型ウイルスの検出が新型ウイルスを上回っています。定点あたり患者数も北海道、沖縄県では1を超えそろそろ流行が開始しています。

 今シーズン使用されているインフルエンザワクチンには、季節性インフルエンザ(A/H3N2、B)と新型インフルエンザ(A/H1N1)の株が混合された3価ワクチンと、昨シーズン使用した新型インフルエンザ(A/H1N1)ワクチンがあります。ワクチン接種後有効な免疫が獲得されるまでには約2週間かかりますので、お早めに本格的な流行シーズンに備えてください。


定点*:

 大阪府内の感染症発生動向を把握するために、インフルエンザは300ヶ所、感染性胃腸炎、水痘などの小児科疾患は196ヶ所、流行性角結膜炎などの眼科疾患は50ヶ所の医療機関が定点となって、毎週患者数が報告されています。

(ウイルス課 宮川 広実)


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