大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第88号− 2010年12月28日発行


12月の感染症

 2010年第49週(12月6日から12月12日)の定点あたり報告数の上位3疾患は、感染性胃腸炎(19.0)、A群溶連菌咽頭炎(2.2)、水痘(1.7)でした(()内は定点あたり報告数)。感染性胃腸炎は前週比13%、A群溶連菌咽頭炎は13%の増加、水痘は12%の減少でした(ブロック別年齢別発生状況参照)

 感染性胃腸炎が8週連続増加しています。同時期の報告数としては過去10年間では2番目に多く、2006年についで大きな流行になっています。原因微生物として主にノロウイルスが検出されており、遺伝子解析の結果ではGII/3型,GII/4型が検出されています(ものしり講座ノロウイルス関連情報参照)

 流行とともにノロウイルスが原因の集団感染や食中毒も報告が増加しています。流行期には感染の拡大を防止するため調理前、食前、排便後、おむつ交換後の手洗い、汚物の処理を徹底することが大事です。

 インフルエンザは、299定点からの報告が、第48週56例、第49週97例とまだ多くはありませんが、徐々に増加しています。インフルエンザが原因と考えられる学級閉鎖が第46週以降府内でも報告され始めており、原因ウイルスとして新型(AH1N1pdm)ウイルス、B型ウイルスが検出されています。散発例としてはAH3(香港)亜型ウイルスも検出されており、現在府内ではAH1pdm (新型)、AH3(香港)亜型、B型の3種類が検出されていることになります。国立感染症情報センターのホームページによると全国的にはAH3亜型ウイルスの検出が新型ウイルス、B型ウイルスの検出を上回っています。

 北海道や、九州の各県ではすでにインフルエンザ報告数が流行開始の目安とされている定点あたり1を超え、そろそろ本格的なシーズンが始まりつつあります。インフルエンザの予防対策としては手洗いやマスクなどの基本的な生活習慣とともに、ワクチン接種が有効です。ワクチン接種後有効な免疫が獲得されるまでには約2週間かかることを考慮し、主治医と相談の上早目の対応をお勧めします。

定点*:

 大阪府内の感染症発生動向を把握するために、インフルエンザは300ヶ所、感染性胃腸炎、水痘などの小児科疾患は196ヶ所、流行性角結膜炎などの眼科疾患は50ヶ所の医療機関が定点となって、毎週患者数が報告されています。

(ウイルス課 宮川 広実)


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