大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第91号− 2011年3月31日発行


3月の感染症

 2011年第11週(3月14日から3月20日)の定点あたり報告数の上位3疾患は、インフルエンザ(12.1)、感染性胃腸炎(9.9)、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(2.5)でした(()内は定点あたり報告数)。インフルエンザは13%の増加、感染性胃腸炎は3%、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は4%の減少でした。(ブロック別年齢別発生状況参照)。

 インフルエンザは第4週の定点あたり21.6をピークとしてその後減少し、第9週には8.7となっていたものの、再び2週連続で増加しています。今シーズンは昨シーズンに引き続き、いわゆる新型インフルエンザ(AH1pdm)が流行の主流でしたが、AH3(香港)亜型、B型の検出も増えてきており、患者数の再増加はこれらのウイルスの流行が関係していると考えられます。患者数の増加に伴い、学級閉鎖などの集団感染事例も3月に入ってから増加しています。

 感染性胃腸炎は昨年末第50週の定点あたり19.5をピークに減少したのち、小さな増減を繰り返しながらやや増加の傾向がみられています。2月以降の病原体定点機関の検体からはA群ロタウイルスが7例、ノロウイルスGU型が6例で検出されています(3月24日現在)。

 間もなく新学期を迎えますが、新しく集団生活を送る小児の間で感染症が流行しがちです。ワクチンで予防できる疾患は集団に入る準備の一つとして接種を受けることをおすすめします。ワクチンで予防できる疾患のひとつに風しんがありますが、現在風しんは麻しんとともに発生があれば全例保健所に届出を行う疾患になっています。府内からは2009年には1年間で12例、2010年9例の報告がありましたが、本年は3月24日現在すでに6例報告されています。

 風しんは罹ってもほとんどの場合特別な治療の必要がない予後良好な疾患ですが、妊婦さんが罹るとおなかの赤ちゃんが胎内で感染して、難聴や白内障などの症状を示す先天性風しん症候群になることがあります。

 地域で風しんの流行をおこさないよう、ワクチンの接種率を維持することが大事です。麻しん風しんワクチンが定期接種として受けられるのは1歳時の1年間と小学校就学前の1年間ですが、中学1年生と高校3年生の方にも2012年までのは、定期接種が行われています。それ以外の年齢でも任意での接種は可能ですのでかかりつけの医療機関にご相談ください。


定点*:

 大阪府内の感染症発生動向を把握するために、インフルエンザは約300ヶ所、感染性胃腸炎、水痘などの小児科疾患は約195ヶ所、流行性角結膜炎などの眼科疾患は約50ヶ所の医療機関が定点となって、毎週患者数が報告されています。

(ウイルス課 宮川 広実)


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