大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第92号− 2011年4月28日発行


トイレの水洗化と浄化槽による処理

1.し尿を含む生活排水の処理

 私たちが生活で利用した排水(以後「生活排水」)は、家庭内の配管を通って、敷地の外に流れていきます。そのうち、し尿を含む排水は、下水道で処理するか、浄化槽で処理しなければなりません。


 図1に大阪府の平成20年度末のし尿の処理状況を示します。トイレの水洗化率は96.5%で、このうちの88.6%が下水道で処理されており、3.5%が浄化槽*1、4.4%がみなし浄化槽*2で処理されています。3.5%(30万9千人)は非水洗化人口で、ここでのし尿は汲み取り後にし尿処理場で処理されます。このように、大部分が下水道で処理されており、浄化槽の処理は7.9%にすぎませんが、人口にすると69万8千人となります。また、トイレ以外からの生活排水(以後「生活雑排水」)は、汲み取りとみなし浄化槽では未処理のまま放流されています。

2.住民にとっての生活排水処理施設の違い

 表1にし尿を含む生活排水の処理施設とその概要を示します。下水道などの集合処理も家庭ごとに設置される浄化槽も生活排水を処理する設備であることは同じですが、この二つには色々な違いがあります。利用者にとって大きな違いは、@集合処理では市町村等が設置と管理を行うため、利用者は集合処理施設の使用料金を支払うことになりますが、浄化槽の場合は、設置者が市町村等の場合と個人の場合があること。A浄化槽の設置者が個人の場合は、設置者が浄化槽管理者となり、設置後の維持管理を行わなければならないこと、の2点があります。

3.浄化槽の維持管理

 浄化槽の維持管理には、運転状況の確認を行い、水量の調整やブロワの作動状況の確認、配管のつまりの除去や清掃、消耗部品の交換、消毒剤の補充などを行う「保守点検」と、浄化槽で処理することによって浄化槽内部に蓄積した汚泥をし尿処理場に搬出する「清掃」があります。さらに、浄化槽の管理状況を客観的に把握するために1年に1回、有料の「法定検査」を受けることが定められています。

 浄化槽の処理性能は、下水道の処理水と同程度のものもありますが、これらは、適切に維持管理されて初めて、その処理性能が維持されます。言い換えれば、維持管理を実施しなければ、適切に処理されない排水が、周辺の水路に放出されることになり、放流先の河川の水質悪化の一因となる恐れがあります。

 自宅の水洗トイレなどからの生活排水は、下水道などの集合処理か、個別の浄化槽のどちらで処理されているのかを確認してください。個人が管理する浄化槽を使用している場合には、維持管理を適正に実施してください。
 市町村によっては、保守点検や清掃に対して、補助金を交付している場合がありますので、ご確認ください。


 *1 浄化槽

 水洗便所排水と炊事、洗濯、入浴、洗面などの生活雑排水を合わせて処理するもの。

 *2 みなし浄化槽

 水洗便所排水のみを処理するもの。平成12年までは「単独浄化槽」として設置されていたが、13年からは設置が原則禁止され、すでに設置されている単独浄化槽はみなし浄化槽として維持管理を行うこととなった。

(生活環境課 奥村 早代子)


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