大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第95号− 2011年7月29日発行


「違法なダイエット用健康食品に注意」

 【健康食品とは

 健康食品(栄養補助食品、健康補助食品、サプリメント等の名称も含む)は、一般的に健康の保持及び健康管理などの目的のために利用される食品で、法律で定義されているものではありません。大阪府内には健康食品を取り扱う業者が2008年時点で700を超え西日本で最も多くなっており(ヘルスフードレポート 2008年版、山の下出版)、多種多様な健康食品が流通しています。健康食品の大部分は合法なものですが、一部の製品には強い副作用のある医薬品成分や、生命に危険な成分が故意に配合されている場合があります。こういった製品は無承認無許可医薬品であり、これらを製造販売することは薬事法違反となります。

 【違法となる医薬品成分の配合例

 当所では、平成14年度に中国製のダイエット用健康食品「御芝堂清脂素(図1)」から日本では未承認の抗肥満薬フェンフルラミンを検出しました。この事例を契機に、大阪府では健康食品安全対策事業として健康食品の試買調査を実施しており、当所で健康食品中に配合された医薬品成分の分析を行っています。平成20年度の検査ではダイエット用健康食品「スリムクイックエクストリーム(図2)」から医薬品成分であるヨヒンビンが検出されました。

 【違法な配合成分について

フェンフルラミン類…国内で承認されていない医薬品で、満腹中枢を刺激し食欲を抑制する作用があるといわれています。中国から輸入された健康茶にこの成分が配合され、日本国内で大規模な健康被害が発生したことがあります。

シブトラミン類…国内で承認されていない医薬品で、ここ数年ダイエット用健康食品から検出例が多い成分です。抗うつ薬や抗パーキンソン薬と併用すると、心拍と血圧が上昇し、重大な健康被害を起こす可能性があります。

マジンドール…中枢神経を興奮させることにより食欲抑制作用を示す向精神薬です。国内で承認されている医薬品ですが、医師の指示に従って服用する必要があります。この成分を含む中国製ダイエット用健康食品「天天素」により、全国各地で健康被害が起きたことがあります。

フェノールフタレイン…アルカリ性溶液で赤色を示すpH指示薬です。国内で過去に下剤として使用されていましたが、発がん性があり現在は医薬品として使用されていません。

ヨヒンビン…性的不能治療薬などに含まれる成分で、ヨヒンビンを含む製品を無許可で販売することは法律で禁止されています。大量に摂取すると呼吸停止や心機能障害を起こす可能性がある劇薬です。

甲状腺ホルモン類…牛や豚、羊など動物の甲状腺を乾燥したものです。この成分を過剰に摂取すると心悸亢進、発汗などの症状が見られるほか、長期摂取により甲状腺機能の低下を引き起こします。

 【体調がおかしいと感じたら

 健康志向の高まりや通信販売の普及を背景として健康食品が注目を集めている一方で、これら健康食品が原因と疑われる健康被害が多数発生しています。ダイエット用健康食品についても例外でなく、それらに配合された医薬品成分により、平成14年から平成18年7月12日までの間に796名が健康被害を受け、そのうち4名が死亡しています。医薬品成分を故意に配合した製品の場合、摂取目安量に従って摂取しても安全であるとは限りません。万が一、これらを摂取して体調が悪くなった場合は、すぐに近くの医療機関を受診して下さい。

(薬事指導課 中村 暁彦)


御芝堂清脂素(図1)



スリムクイックエクストリーム(図2)

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