大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第99号− 2011年11月30日発行


寒い季節でもカンピロバクター食中毒に注意が必要です

 カンピロバクター食中毒は、細菌性食中毒の中では発生件数が最も多い食中毒です。主な症状は下痢、腹痛、発熱で、食べてから症状が出るまでの期間は1〜7日(平均2〜3日)とやや長いという特徴があります。食中毒の発生は、図1に示したように5月から7月にかけて多いのですが、これからの冬の季節にも発生が見られます。

 カンピロバクターは健康な鶏、牛、豚などの腸内に棲んでいる細菌です。特に鶏は高い確率で保有しており、国内流通鶏肉の50〜70%がカンピロバクターに汚染されているといわれています。また、牛レバーの内部に存在していることがあります。

 カンピロバクターの増殖には通常の空気よりも酸素が少ない状態(微好気条件)が必要であるため、食品に付着しても増殖できません。しかし、低温で湿潤な条件では長期間生存します。

 カンピロバクター食中毒は、鶏のササミ・レバー・砂ずりなどの刺身、牛の生レバーなど食肉の生食や、バーベキューなどで加熱不十分な食肉を食べた場合に発生します。また、生の鶏肉を取り扱った手指や調理器具を十分洗浄せずに、そのまま食べるサラダなどを調理して食中毒が発生する場合も多くあります。

 内閣府の食品安全委員会が取りまとめた「微生物・ウイルス評価書 鶏肉中のカンピロバクター・ジェジュニ/コリ」によると、鶏肉を生で食べる人の一食あたりの感染確率の平均値は、家庭で1.97%、飲食店で5.36%、年間平均感染回数は3.42回/年・人でした。それに対し、生食をしない人は家庭で0.2%、飲食店で0.07%、年間平均感染回数0.364回/年・人であり、生食により感染のリスクが大きく増えることが明らかになりました(微生物・ウイルス評価書 2009年6月 食品安全委員会)

 鶏肉の生食をする人ではそれをやめることが食中毒防止にもっとも効果が得られます。また、生食をやめた場合でも、十分に加熱してから食べること、家庭での調理ではサラダやおひたしなどは肉類を調理する前に作り、他の食品を汚染しないように注意することが重要です。

 
(細菌課 田口 真澄)


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