大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第12号− 2004年08月31日発行


酸化チタンの毒性!

Q、最近酸化チタンを使用した商品を耳にしますが、毒性などはないのでしょうか。

A、酸化チタンには2種類ありますが、市場にでているのは二酸化チタンです。ここでは、二酸化チタンについてお答えします。

 化学的に安定な結晶性粉末で、生体に対する作用がないと考えられており、急性毒性や発がん性の報告があまり見あたりません(国際化学物質安全カード)。IARC ( 国際がん研究機関 )の発がん性分類では3(ヒトに対する発がん性については分類できない)になっています。生活の場では、問題となる毒性はないようです。

 太陽光由来の紫外線を吸収する性質があり、白色の顔料や食品添加物、化粧品などに使われています。また、最近では光触媒作用を利用した商品が開発されています。ビルの外装や空気清浄機などがあります。
 顔料や化粧品に使われている二酸化チタンと、光触媒に使われているものとでは結晶構造が異なり(ルチル型とアナタース型)、顔料としては光触媒作用のないルチル型が良質なものとされています。超微細な粒子では透明に近い粉末になり、日焼け止め化粧品などにも使われています。

 化学的には安定ですが、粉末を扱う産業現場では塵肺の原因になる粉塵として注意が必要です。日本産業衛生学会は吸入性粉塵*として1 mg/立方m、総粉塵*として4 mg/立方mを勧告しています。また、アメリカでは総粉塵として10 mg/立方mが許容濃度となっています。特に超微細な粒子が開発されていることが問題となりそうです。最近の報告では、直径250 nm(ナノメーター:100万分の1 mm)と29 nmの粒子を同じ重量だけ動物の肺に直接入れたところ、大きい粒子では炎症反応は起こりませでしたが、小さい粒子では炎症が起こることが示されています( Occup Environ Med 2004, 61, 442-447)。技術の発展と共に注目しておくことが必要だと考えられます。

(生活衛生課 熊谷)

*吸入性粉塵:

日本産業衛生学会の定義では、直径が7ミクロン以下の粉塵

*総粉塵:

すべての粉塵



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